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お疲れ様、PA30 [ISUZU]

約6年間手元に置いた、PA30フローリアンが、元の持ち主のところに帰っていった。

PC071582.JPG

このフローリアンがウチに来た経緯は、それまで乗っていたトランポのファーゴバンが
老朽化で使用に耐えなくなってきたため、車両の入れ替えを考えていたところ、
岡山県の某所にあったフローリアンのうちの一台を融通してもらったのだ。

ファーゴはというと、これに先立って解体したが、フレームの左側中央付近が
腐り落ちていたことが判明。
これで、いつの間にか発生していた天井の皺、スライドドアの閉まりの悪さ、
乗り心地の悪化、タイヤの偏磨耗、騒音の増加等々、様々な経年劣化による症状の
説明が一気についた。

この事もあって、次期正規空母もファーゴという選択肢は躊躇せざるを得ず、
いっそELFのルートバンやCOMOはどうかとかいう考えが過ぎりはしたものの、
あまりトランポを活用する機会が無くなった事、家族を持って複数人数での移動が
増えたことなどからあまり商用車的なものは如何なものか・・・と考え、また、
運転していて圧倒的に楽なのは乗用車であるとの事から、候補としては・・・
1、ちょっと弄ったらしいPF60のZZ-R
2、程度それなりのPA30
3、LANCIA テーマ8.32
4、マセラーティ クアトロポルテ
5、新車のトヨタ

・・・3と4が検討した時点で消去されたのは言わずもがな。
5もお金を払ってまで欲しい車が無いということで消去。
残るはPFかPAかなのだが、PFは昔散々乗った。

消去法というか、選択肢で残ったのはPA30フローリアンである。
写真では中期型の丸4灯ヘッドライトになっているが、元の姿は最終型の角目である。
一方内装は中期型の楕円形を組み合わせたもので、最終型に至る過渡的な
モデルであった。

これを、「要らなくなったら返してね」という約束の元、ウチにやってきたのだ。
車両代金はレストアする費用に当てた。
車体は全塗装を自分で行った。この際に、角目から中期型の丸目仕様に外観を変更。
同時期に部品取りとして解体した書類無し中期セダンからバンパーやテールランプなど
一切合財取り外して移植したのだ。
その結果、過度な装飾が無くなって非常にすっきりとした表情になった。
シャンパンゴールドだったラジエターグリルは黒く塗った。その時はTSのイメージを
持っていたので少しでもスポーティなイメージとしたかったせいだ。
元の塗装があまりにもみすぼらしかったからでもある。
ボディカラーは元のガーネットマルーンで、塗料屋に調色してもらったが、もっと赤味が
強く、フレークも粗めが正解だと後で知った。これはこれで良い感じだったが。

内装はシートがアイボリー色のモケットであったが、
経年劣化で破れてしまったのを機に、茶色のビニールレザーとファブリックで張り直した。

当初エンジンの調子が悪く、燃費も一桁という有様で愕然としたが、
キャブレターのOHで普通に走るようになった。
コルクのガスケットがボソボソに崩壊して、二次空気を多量に吸い込んでいたためだった。
何度も分解された形跡があったが、ジェットもプライマリーとセカンダリーを間違えて
組み込まれていた。
燃費の悪さはサーモスタットが入っていなかったせいで、オートチョークが効きっ放しに
なっていた為だった。
サーモを復旧したところ、見違えるように走るようになった。
ヒーターもまともに効くようになった。

サーモが抜かれていた理由は水温計にあったと推測している。
元々高めの位置を指すようで、オーバーヒートしていると勘違いしたのではないか。
オプションのクーラーが装着されていたため、その際に外すこともあったと聞いた。

クーラーはガスチャージで普通に動作したが、程なくしてシャフトシールが抜けて
ガス漏れを発生したので、ゼクセルに持ち込んでOHしてもらった。
銘板には「ジーゼル機器」と書かれてあったが、ゼクセルで対応してくれた。

マフラーも腐ってもげ落ちた。
すぐ横に燃料タンクがあるので仕方なくPA95 117クーペ用の社外品を小加工して
取り付けた。抜けが良くなったせいか、トップスピードはカタログ値を超えるようになった。

メーターは、TSグレードとこの年式のみ3連丸型だ。
TSはタコメーターとスピード、コンビネーションであったが、この車はタコの代わりに
時計が装備されていたが、よくある話で故障して動かない。
そこで、某オークションでPA95のジャンクメーターを入手して分解。
フローリアンのメーターのベゼル部分をクーペのメーターと組み合わせて、
スピードメーターは220km/h表示に、時計はタコメーターとなった。

こうしてPA30は6年間存分に走ってくれた。

が、やはり素人の自家塗装ではヤレが目立ち始め、きちんとプロにやり直してもらおうと
一旦は業者に預けたものの暫く放置され、そうこうしている間に相方が「パワステが無いと嫌だ」
とのたまい、やがて気持ちは別の車に傾きかける。
折りしもUBS17を暫く使う機会もあり、やはり排気量が大きいほうが楽とのこともあった上、
タイミング悪く(?)V8MTのクアトロポルテが出現したことでPA30レストア計画は
中止の憂き目にあった。

その後2年ほど実家の庭の片隅で眠っていたが、元の持ち主のN氏が乗るとのことで、
引き取られていったのだ。

2年も放置していたにもかかわらず、バッテリーを繋ぐと少々長めのクランキングの後
あっさりと始動。G180Zらしい低めのノイズで滑らかにアイドリングする。

それまで集めた部品と共に、古巣へ戻っていった。

フローリアンに未練は無いのか。

いやいや、それには別の話があって・・・
QPがウチにやってきて程なくして、初期型フローリアンセダンが出てきた。
そういう事は、QP買う前に言ってよね・・・と言ったところで後の祭り。

以前から初期型が欲しいと言っていたので二つ返事でガレージに収まることになった。
その際、バンもいいよねぇ・・・などとのたまっていたら、更に程なくしてバンもあるとの話が。
遥々安曇野まで見に行ったら、初期型セダンと同じフェイス。
これ二台並べたらいいよねぇ・・・と言う事で・・・
仕方なく(?)買う羽目になり、置き場が無いのでそのまま以前持ち込んでいた板金屋さんに
バンを持ち込み、現在に至る。
噂によると、ようやく重い腰を上げたようでそろそろ着手してくれる模様。

それの部品といっては何だが・・・

PC071583.JPG

当日はこれも移動した。
これは某N氏のPAD30Vの修理に使われるが、エンジンその他は私のPA20Vに
提供される予定。

もうフローリアンの呪縛からは逃れられそうに無いが、老い先乗る車はこれでいいや。
それはそれで納得しているのである。



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コメント 4

なを

このたびは突然の申し出にも関わらず快諾して頂きありがとうございました。約束はどうあれ、かなり手を入れてくださっていたのに好条件での返却恐れ入ります。本当は私以外で欲しい方が出てくればよかったのでしょうけどね。まあ、キッチリ路上復帰させますのでそれでご容赦ください。その後エンジンがかからなくなり焦りましたが単なるガス欠でした。只今年末に検査を受けるべく軽整備中です。排ガスデバイスはとりあえず基本形に戻してみました。実際はそれすら必要なかったかもしれませんけど、他もほとんどそのままで検査自体はいけそうです。
by なを (2014-12-21 19:58) 

sato

いえいえ、何をおっしゃいますやら。
こっちの我侭に付き合せてしまって恐縮至極。
先程件のブツ復活につき、バッテリーとタイヤを発注しました。
すでにモノは引き出して整備待ちです。
バンパーその他もちょっと磨いたら綺麗になりそうです。
軽い浮き錆の模様です。
PA30はお手数をお掛けしますが、宜しく。あー、カセット渡し忘れてました。まだ保管部品がありそうです・・・
by sato (2014-12-21 20:09) 

じぃ

やはり備讃瀬戸を挟んだエリアはダメ…いや、妖気が漂っていますね(^^;)
by じぃ (2014-12-22 22:17) 

sato

いやいや、フツーですよ、フツー。フローリアンなんて、昔タクシーや教習者でわんさか走ってたじゃないですか。私の目からすると、マイルでアップグレードできるほど飛行機に乗りまくっていたり、全国のYHを泊り潰しているほうが変ですw
by sato (2014-12-23 06:27) 

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