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750TURBO  ヘッドオーバーホール7 [BIKE]

さて、ヘッドは2mmのシムを入手し、バルブクリアランスを測定したところ、
何とかメーカー設定のシムの範囲内で組めることが判明した。
次回のバルブシートカットは不可能ということでもあるが、必要が生じた場合は
シートリングの入れ替えを実施しよう。

シムを発注する必要があるのだが、余裕を持って必要なシムの前後も
購入することにした。

と、いうのも、クリアランス測定を行っている最中に気が付いたが、2mmのシムを入れて
測定した状態と、そこから計算して求めた必要なシムを入れた状態で再測定すると
計算通りにならないことがあった。測定ミスかと思って再度2mmのシムを組んで
測定するが、やはり前回の記録と一致する。
組み込むシムの厚さも実測して計算するので間違いない。

傾向としては、計算で得たシムを入れると広めのクリアランスを示すのだ。

リフターの落ち着きが悪いのかと思って押し付けながら測定してみたりするが、
いかんせん狭く、上手く行かない。

カムシャフトの位置にも影響されるようで、僅かな角度の差で測定値が変化する。

推定としては、2mmのシムを組んだ状態ではクラランスが広いため、複数のシックネスゲージ
を組み合わせて測定を行うが、この状態だと板バネを重ねたようになって、実際はもっと
広いのに、狭目の測定結果になっているのではないかと思われる。
一方で、正規のクリアランスが得られるようにシムを組んだ状態だと、1~2枚のゲージで
測定するので比較的正確に数値が得られるのだろう。

従って、必要なものに対して0.05mm厚いシムも併せて発注した。

排気側の2箇所は給気側に入っていたシムと、手持ちの中から適合するものがあった。
しかし、そのうちの一箇所は前述の現象から許容一杯になってしまっているので、
これも併せて調整の余地アリ。

ちなみに手持ちのシムは、GPZ400Fとゼファーに組まれていたものであるが、
当時のシムを測定すると、750ターボに組まれていたものも含めておよそ2/100mm
程の誤差がある。いずれも厚い方向になっている。
シムの設定は0.05mm刻みなので、かなり大きい誤差だ。
ところが、今回購入した2mmのシムは誤差が1/100mm以下であった。
30年の年月の間に進歩したのか?

ところで、750ターボのバルブクリアランスは他のモデルと異なることを発見した。
測定前にサービスマニュアルのターボ用補足版を読んでいて気が付いたのだが、
排気側は他のモデル(ザッパー系のエンジンを積んだモデル)と同じ、0.08~0.18mm
であるが、給気側が0.08~0.18mmに対して0.13~0.23mmと広く設定されている。

これは、恐らく吸入空気温度が高いためだと推測するが、今後ターボエンジンを
弄るにあたり、良い考察を得られたと思う。カワサキは給気(吸気)側の条件を考慮している。
エンジンによってはNAもターボも同じサービスデータだったりするが、このことを
覚えておいて損は無いだろう。


さて、シリンダーであるが、焼付を行うことにした。
P4101585.JPG

釜に入れた状態。蓋をして加熱すること1時間、温度計は140℃程度しか指していない。
ガレージの中に入れてシャッターを閉めた状態にすると、瞬く間に180℃以上に上昇した。
周囲の空気の流れに大きく左右されるようだ。一考の余地あり。

P4101586.JPG

焼付は成功。硬い良好な塗膜を得ることが出来た。

次はホーニング。
シリンダ内面は磨かれてテカテカに光っている。
クロスハッチは残っているようだが、ホーニングを掛ける事にした。
ホーニングはドリルを使って手作業で行う。
本当は内燃屋に依頼したいところだが、もう余り時間も無いことから自分でやることにした。

P4121587.JPG

軽くホーニングして、砥石目を内壁に付けておく。この目がオイル溜りとなることを期待する。

さて、次はピストン。
外すつもりは無かったが、ベースガスケットのカスを除去するのに邪魔になる。
カーボンの付着も酷いしスカートに傷も見えることから外して整備することにした。

P4121588.JPG

カーボンはスクレーパーでこそぎ落とした。
スカートの傷はオイルストーンで慎重に研磨。削り過ぎるとアウトだ。

傷を付けない様に注意しながらカーボンを落とすと、予想外なことにリングランドと
ピストントップがコーティングされているようだ。テフロン加工かな?
スカート部の傷が深いようならスカートにコーティングを掛けようと思っていたが、
簡単に傷が消えたのでそのまま現状で組み込むことにした。

ターボのピストンは圧縮比を下げるために頂部が平らになっている。他のザッパー系の
ピストンは大きく頂部が盛り上がった形状をしているのだ。
つくづく4バルブで無いのが惜しいエンジンである。

ピストンリングは新品を発注した。
結構高価でシム、チェーンスライダー等と合せて25000円程になった。
はっきり言って、かなり予算オーバーとなってしまったが、開けてみたらあれも駄目、
これも駄目というパターンは良くあることだ。

これで新車時のパフォーマンスを取り戻せることを期待しよう。


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