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S-601 納車整備8 [ラビット]

トルコンの組み立てに入る。

P6071655.JPG

一度分解されている形跡がある。薄い紙パッキンに液体ガスケットが塗られていた。
シールの外径が特殊なため、ラビットハウスさんのキットを使用してリペアする。

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紙パッキンの代わりにOリングでシールするため信頼性が高い。

P6071657.JPG
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出来上がり。これをクランクケースに組み付けて・・・
次いでトルクコンバータ本体を組み付けようとしたところ・・・・

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なにやら見慣れぬ物体を発見。
どう見ても、ニードルローラーベアリングのニードルだ。

パーツカタログで確認すると、内部にスラストベアリングが組み込まれている。
これか?

P6071659.JPG

仕方ないのでトルクコンバータ本体を分解した。

P6071660.JPGP6071661.JPG

ハウジングの内面とタービンの外面にはびっしりと打痕が付いている。

P6071662.JPG

肝心のスラストベアリングはというと・・・
バラバラ。1本もニードルが残っていない。

サイズを測定すると、これまた特殊規格で内径は合う物があるが、外径が2mmほど
小さいのだ。ググってみても、過去のヤフオクの情報が出る程度で有意な情報は無い。
ラビットハウスの山田氏に問い合わせてみたが、やはり在庫はお持ちではないようで、
現行の部品で何とかするしかない。

ひとまずモノタロウで純正のスラストベアリングの外径に近いサイズのものを
2種類発注してみた。アンダーとオーバーだ。

次いで、このベアリングが組み込まれるタービン側を検証。
肉厚はあまり無さそうだ。

程なくしてスラストベアリングが届いた。
早速現物を見比べて切削加工をしてオーバーサイズを組み込むことにした。

P6131664.JPG

数回に分けて突っ切りバイトで慎重に内径を広げる。

P6131665.JPG

片肉1mm削り、市販のベアリングが収まるようになった。

タービン側はこれでOKだが、反対側のハウジングに問題あり。
ニードルのケージが接触した状態で結構動かされたようで、完全な平面ではなくなっている。
こちらも切削加工したいところだが、上手くチャッキングできないので機械加工は断念した。
ひとまずこの状態で復旧して問題が出るまで使ってもらおう。

トルクコンバータを組み付け、オイルを満たして試運転してみた。

ひとまず修理は成功。問題なく加速する。

が、他にも問題点がチラホラ。
まずはヘッドライト。自動車用のものが取り付けられていて、光軸がでたらめ。
フィラメントの配置が違うのか、ハイ/ローの切り替えも変。
これはスペアの中古純正シールドビームに交換した。

次いで、200m程走ると必ずエンストする。暫くすると再始動可能だが、全然吹けない。
5分ほど放置すると、また200m位は走れる。
どうやら燃料が落ちて来ていない様だ。
燃料計も動いていないので、内部を掃除しようと分解を試みるが・・・

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燃料タンクの左側に上下に貫通するパイプがあり、その中をスピードメーターのケーブルと
スターターバルブのケーブル、ワイヤーハーネスが通っている。
つまり、これらを全部分解しないことにはタンクを車体から外すことができない・・・

全くもって、あきれるのを通り越して感心するくらい後々の整備性を考慮していない設計だ。

タンクを取り外すことはひとまず断念して、燃料計の修理だけでもと分解を始めたが・・・

P6201668.JPG

むー。固着を外そうとウォーターポンププライヤーで少し回転させたらあっさり壊れた。

アンチモンのダイキャストなのだが、肉厚が薄い上に劣化しているのかボロボロ崩壊する。

それでも何とかフロートを取り出した。

P6201670.JPG

内部は錆とガソリンの変質したワニスでベタベタザラザラだ。

内面を入念に洗浄し、キャブレタークリーナーでフロートを洗浄する。

この燃料計、良く考えられている。

針は薄い金属板に接続されていて、緩くねじれている。
一方、フロートには切り欠きが縦に付いていて、それが外筒のあわせ面(板を丸めて筒にしている)
に、内側に向けて突き出た耳が設けられていて、そこにフロートの切り欠きが噛みあって、
フロートは回転する事無く液面に応じて上下に移動する。
このフロートの位置に応じてねじれた金属板が回転して針が動くのだ。

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P6201672.JPG

さて、割れたアンチモンはエポキシ系の接着剤で固めた。
粉々になった部分はひとまずアルミテープで穴を塞いだ。

外したカバー類を元に戻し、キャブレター側から燃料ホースにエアを吹き込んでみたら、
燃料が落ちてくるようになった。
タンク内にゴミがあるのだろう。

試走すると、今度は何キロ走っても止まることは無くなった。

とりあえず、この状態で引渡しをすることにしてトラックに積み込んで岡山まで届けた。
燃料タンクは後日、部品取り車の別のタンクを処理してから交換することにした。

やれやれ、半年近く整備に時間を掛けてしまった。
遅くなり申し訳ない。

ひとまず納車整備はこれで終わり。





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