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ラビットS601 [ラビット]

通勤快速のAR125Sのエンジンがどうやら終了のお知らせ。

これで、動くmyバイクが無くなってしまった。
唯一YA-2が動きはするが、まだ本格的に動かしていないので
一抹の不安があって実働段階ではない。

という訳で、レギュラーメンバーのラビットを復活させることにした。
私のラビットはS-601 C3型だ。ほぼ最終モデルで奈良の叔父から譲り受けた。
古い「奈」ナンバーなので、そのまま使っている。

コレが動かなくなった主原因は、トルコンのオイル漏れだ。
そのうち直そうと思いながら後回しにしているうちに、コックの燃料漏れが
酷くなり、バッテリーも補充電を繰り返していたがとうとう電圧が回復しなくなり、
そのまま惰眠をむさぼり続けることになってしまった。

そうこうしていると、京都の友人から「集い」のお誘いが。

ここで意を決して修理することにした。
こういうきっかけでも無いとなかなか重い腰が上がらないのだ。

まずはバッテリー。
今まで使っていたのは台湾製の6V、6N-12A-C を2個直列に使用。
7年持ったが終に寿命を迎える。

よく持ったほうだ。
同じものをとも思ったが、6Vバッテリーは結構高価で悩ましい。
それに稼働率の低い601ではメンテナンスがかなり面倒だ。

そこで、750TURBOで使用しているのと同じ、アメリカ製のドライバッテリーを
使ってみることにした。
P9071443.JPG

ウエストコのWCP14だ。
シールドバッテリーのYTX-14BSと同サイズだが、ターミナルが横付けできる。
また、液が入っていない、正確には布に染み込ませているドライタイプの
バッテリーなので振動に強い。更にCCAも通常の液入りと比べても強力だ。

何よりこのバッテリー、自己放電が少なく、殆ど乗らない750TURBOで一度も補充電
をした事が無い。何度か充電器を繋いでみたが、数分で満充電表示になってしまう。
750TURBOに使ってもう5年になるが、かなり優秀である。

心配なのは充電電流だ。
かなりアバウトなラビットの電気系統で大丈夫だろうか?
まぁ、古いハーレーダビッドソンに使えるのだから、恐らく大丈夫だろう。
・・・大丈夫であって欲しい・・・
という訳で、使い古しのZR-7用バッテリを使って干渉チェック。
かなりギリギリだが何とか収まった。

バッテリーの純正固定バンドはとっくに失われていて無いので、とりあえず
梱包用のベルトで固定した。どうせ外すときは交換するときなので、コレでもいいのだ。

元気よくセルが回ったところで問題のオイル漏れ。

P9071424.JPG

周辺は漏れたトルコンオイルでドロドロ。
タンクの油はあまり減らないが、シールからエアを吸うようで暫く走るとエア噛みで
加速が悪くなる。

船がバックリ後ろに開く構造で、えらく整備性が良さそうに見えるが、ぎっちょん全然駄目。
何をするにしても周辺をバラさねばいけないのがS601である。

キックギアを取り外し、オイルを抜いてからセンターの固定ボルトを緩めて
トルクコンバータ本体を引き出す。

が、サイドの装飾のパイプに干渉して抜けない。
コレを外すにはタンデムステップを外さないといけない。ネジ6本を外してようやく
トルコンを外せた。

P9071425.JPG

中央に見えるのがフリーホイール。ドロドロである。
内側がアウトプット、外側がステータ用のワンウェイクラッチの勘合部分。

P9071426.JPG

外したトルコンの裏側はドロドロ。ずっと以前から漏れていたようだ。

ラビットハウスの修理と整備の極意にはトルコンを取り外す際にステータを長いボルトで
固定するように書かれているが、結果、必要ないことが後で判明する。
一応固定していたが、外す際に緩んでしまっていた。

次いで、漏れている主原因のフリーホイールと呼ばれるワンウエイクラッチを外す。
プラスビス4本でチェーンケース側に固定されているが、コレを外すためにはタンクを
外さないといけない。

P9071427.JPG

微妙にドライバーがリアダンパーに干渉して回せない。頭は舐めかけているし・・・

ちょっと長い貫通ドライバーで何とか回せた。
このように何かと邪魔物があって見えているのにすんなりネジを回せないところが多いのが
富士重工製品だ。まるで整備することを考えていない。設計が強過ぎるとこういった製品が
出現しやすいように思う。
こんなことを続けていては二輪事業から撤退せざるを得なくなるわけだ。

それはさておき、タンクを取り外し、フリーホイールを抜き出す。
このフリーホイールのオイルシールの劣化が油漏れの主原因だ。

P9071429.JPG

大和スクータークラブが製作したシールキットを入手しておいたので、これを組み込む。

まずは分解するのだが、留めている4本のビスナットを外すが叩いても抉っても
シールのフランジが外れない。
いろいろ知り合いに問い合わせるが、一様にポロリと外れる筈だとの返事。

困ったが、リップがカリカリに硬化しているシールを再度組み込む訳にはいかない。
やむを得ず、壊れることを覚悟の上でプライバーを突っ込んで抉ってみた。

バキンという音と共に外れた。
内部は接着剤が塗られていた。接着されていては外れない訳だ。

P9071432.JPG

どうやら過去に分解されているようで、その時にオイル漏れ対策で接着剤を
塗ったのだろう。チェーンケースとの接合面にはシリコンシーラントが塗られていたが、
脱脂していなかったのか簡単に剥がすことができた。
尤もここからはギアオイルが漏れていた訳ですが・・・

P9071433.JPG

ワンウェイクラッチを分解して接着剤のカスを除去。脱脂して新しいシールキットの
フランジに薄く液体ガスケットを塗って組み立てる。
外側(トルコン側)には0.3mmのスリーシートパッキンを切って入れた。
本来はOリングでシールする構造だが、このキットにOリング溝が無い。
厚さも若干薄いので、位置を合せる為にパッキンを組み込んだ。

ネジを締めて馴染ませる間に周辺の掃除。

P9071430.JPG

クランクシャフトの付け根に見えている切欠きがアウトプットでチェーンに出力する。
ウエスで養生してから粘土状の汚れをこそぎ落とした。
トルクコンバータ本体も洗浄。

さて、組み立て。
脱脂して合せ面に液体ガスケットを塗りながら分解した順番と逆に組み立てていく。

参考文献には勘合の切欠きの位置関係云々とも書かれていたが、分解した時点で位置が狂う。
合せるポイントは、奥の二つの勘合とクランクシャフト端部のウッドラフキー。
マニュアル通りに組み立てようとするが、どうにも入ってくれない。

暫く悩んだ末、クランクシャフトを回してキーを上側に。切欠きもタイヤとワンウェイクラッチ
を回してキーと一致する位置にした。
で、トルクコンバータの方は、ステータを固定していたボルトを緩めて切欠きと
キー溝を一致させてクランクシャフトに押し込む。

やっぱり途中で止まってしまって入ってくれない。
そこで、ステータの固定ボルトを外してみた。
するとすんなり入るではないか。

ステータをネジで固定するやり方は上手く行かない。

それでもクラッチの勘合部にはなかなか嵌ってくれないので、左右に回転させながら
押し込んでいくと一致したところでスコンと奥まで入ってくれた。

クランクシャフトにOリングを入れ、キックギアのフランジを取り付けてセンターのロックナット
を締め付ける。周辺の分解した箇所を復旧してからオイル注入。

P9071434.JPG

出光興産のダフニートルクオイルA。
これだけあれば、恐らく一生掛かっても使い切れないだろう。

エア抜きをして、いざ試走・・・
と思ったが、燃料が空っぽ。混合を作って入れるとコックから駄々漏れ。
カップを外してみると、樹脂が劣化して無数のひびが入っている。
これは使えないと判断して、もう一台ある実働の601から移植した。
後日代替品を探そう。

キャブレター内部が腐っていないか心配だったが、経験から混合ガソリンだと
内部が腐って詰まるような事が少ない気がする。
混合ガソリンでは無い仕様のキャブは半年も放置すると、まずそのままでの始動は
無理だ。ラビットは1年放置していても平気だ。

気を取りなおして出発。
P9071435.JPG

うーん、普通に走る。当たり前か。
ひとしきり走ってから再度エア抜きと漏れチェック。

トルクコンバータがメチャメチャ過熱している・・・これで正常かどうかは不明・・・
内圧はかなり上がっているようで、タンクのホースから少し漏れている。
ホースは取り替えないと駄目だろうなぁ。

トルクコンバータからの漏れは無いが、フリーホイールユニットからは少し漏れていた。

P9071438.JPG

内圧が結構高そうなので多少は仕方ないのか?
とりあえずこれ以上の事はできないので暫く様子見だ。
この後ギアオイルも替えて本日の整備終了。

P9071437.JPGP9071436.JPG








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