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クアトロポルテ やっぱりダメだった顛末 [MASERATI]

やっと治ったと思ったクアトロポルテ、1週間ほど放置したらまたエンジンが掛からなくなった。
しかも前回より更に症状はひどく、ガソリンスタンドやらコンビニやらスーパーやらの駐車場に停める度に始動に苦労することになる。

始動できないときは何をやってもダメで、押し掛けなら掛かるだろうと坂の上に停めてみたりしたが、結局下りきるまで火が入らず、その後バッテリー上がり寸前で何とか始動に成功するという始末。
と、思えばタイヤが半回転もしないウチにズロンと掛かることもある。

エンジン停止恐怖症になりそうだ。

とても実用に耐えないということで、再びリフトの上で惰眠を貪ることになったのが6月の末。


さて、ちょっと戻ってここで前回の続き。
一旦は動くようになったQP、また止まっても嫌なので一般道を走っていたら・・・

水温が下がらない。
特にノロノロ・モタモタ運転の超売れているという噂の某社製ちょっとだけ電池駆動の某車なんかの後ろについたときなんか最悪で、ずーっと100℃辺りを指していてファンが全力運転を続ける。

そのうち油温が下がらなくなるようで油圧低下してエラーオイルのランプがチカチカする。

マセラーティはこのことは承知の上だったようで、15w-60なんていう粘度のオイルを指定していたのはこういう理由だったのかもしれない。

一旦前方に車が居なくなると水温はすぐに下がるのだが、前に車が居なくても60㎞/h以下で6速だと全然水温が下がらない。
ところが4速だと水温は下がってくるのだ。

これらの事象から、考えられる理由は二つ。
1:低回転では冷却水の循環量が足りない
2:ラジエターの容量が足りない

よくよく観察すると、QPのエンジン前は2階建てになっている。
1階部分の下半分は巨大なオイルクーラー、2階はラジエターだ。

中期までのモデルと比べると、ラジエターの投影面積は半分以下。
単純に半分にすると絶対ダメなのだが、2枚重ねにして容量を稼いでいるのだ。
一見これでも良さそうだが、電動ファンの風量だけでは不足するようで水温が下がらない。
冷却の効率は熱落差(温度差)が大きいほど良くなるので、単純に半分の面積のラジエターを2枚重ねしても同じ放熱量にはならない。どうしても後ろ側のラジエターは効率が悪くなる。
つまり、初期のモデルと比較してラジエター容量は実質減っていると考えられる。

また、オイルクーラーが追加されてはいるがエンジンの冷却に寄与しているとは思えず、オイルクーラーの付いていないシャマルでは起きない油圧低下が発生していることから、冷却系統に根本的な問題があると、私は考えている。
ここもフェラーリが改悪・デチューンした部分だろう。

ちなみに3200GTも同じ構成だ。都会で乗っていて問題無いのか他人事ながら心配である。

更にポンプの流量も不足気味だ。
回転数が1500rpmを下回るとぐんぐん上がる。
6速60㎞/hで1500rpm弱なので、一般道では6速では走れないということになる。
シャマルは6速40㎞/h、1000rpmそこそこでダラダラ流しても平気なのに。

いずれシャマルとQPのポンププーリー径を比較してみる必要があるかも。

しかし、何でこんなことしたのだろう?
街乗りで使うなら、オイルクーラーを撤去して一枚物の大きなラジエターにするのが正解だと思う。
フェラーリ傘下後の変更点は何一つ良いことがないとは之如何に(--〆


さて、再びエンジン始動困難の件

神戸に長期出張していたためそのままお不動さんのまま放置していたのだが、その間に何が悪いのかじっくり考えてみた。

何もかも疑わしく、定番ともいえるセンサー類を総取替してみることにした。
ひとまずクランクセンサー、カムシャフトセンサー、給気温度センサーの6点だ。
e-bayに結構安価で社外品が出ていたのでネットで注文する。
ユーロスペアーズより大分安い。

ちなみにユーロスペアーズ、最近対応悪く、もう利用しないことにした。
V8EVO用電装マニュアルとあるにもかかわらず、取り寄せてみると初期用電気鳥瞰図。
しかもギブリとの合作本でこれなら既に持っている。しかもしかもEVOにはまるで使えない。
クレームしたがナシの礫。しつこくメールしたら、本当に使えないのか?本当に返品したいのか?と馬鹿にした対応。手続き方法も教えてくれず、返金するとも約束して貰えず。
使えねー。
いろんな意味で典型的な英国人なのかも。
という訳で、最近はサードパーティー三昧。

で、ちまちまセンサー類を集めてから帰省した際に交換してみた。
結果は全部シロ。

うーむ、頭痛い・・・

基本に立ち返り、何でエンジンが掛からないのか考えてみた。
昔からよく言われているのが、よい圧縮、よい点火、よい混合気の3点セットだ。

圧縮はある。エンジンが掛かっている間は調子良い。
次に点火。エンジンが回っている間は火が飛んでいるのだろう。
だからエンジンは回っている。
混合気については前回燃圧を測定して燃料はエンジンまで確実に来ている。
多分問題ないだろう。

だけど、始動時にはどうか?
燃料はきちんとインジェクターから吹いているか?
プラグに火は飛んでいるか?

センサー不良で回転数が低い時に出力が不足して、ECUからの信号が出なくなっているのではないかと推測したのだが、ハズレだった。

そこで、3200GTから外したコイルを使って確かめてみることにした。

IMG_0720.jpg

こうやって運転席から見えるようにセットし、クランキングする。

と・・・・

火が飛ばない。
うー、ということはイグナイタかECU本体か?
しつこくセルを回していると、ポッと火が飛んだ瞬間始動した。
が、次の瞬間火は消えてエンジンもストール。
始動不良の原因は点火系にあったようだ。

とりあえず、点火系統のすべてのコネクターをチェックして回る。
コイルの接続部全部にカーボングリスを少量塗布して挿し直していく。
変化なし。
そこで、コイル側からカプラーを順次挿し直していくと、イグナイタ(点火モジュール)のカプラーを挿し直したところで普通に始動できるようになった。

IMG_0721.jpg

点火モジュールは、シャマルはバルクヘッドにあったがQPはラジエターのリザーバータンクの下という俄かに信じがたい位置に置かれている。
湯たんぽが上に置いてあるようなもので、点火モジュールは半導体駆動なんだからいくらなんでも拙いだろ・・・

とにかく、4個ともカプラーを抜いてカーボングリスを塗って挿し直した。
これであっさり始動するようになった・・・と思ったら、またパタリと火が飛ばなくなった。

先ほどと違うのは、今度はメーターパネル内の鍵マークが点いたり消えたりしている。
以前からピカピカしていたが、タコメーターはピョンピョンするし、チェックエンジンのランプが点いたり消えたりしていたのであまり気にしていなかったのだが・・・・

取説を読むと、このマークはイモビライザーの作動を示すものだと書いている。

一般に、イモビライザーはキーシリンダー近傍に設置されたトランスポンダーリングというアンテナと、キーに仕込まれたICチップとの間で情報をやり取りして正規の鍵かどうかを判断して、違うとなればエンジンが掛からないように点火をカットする代物だ。

はたして、ステアリングコラムのカバーを外すとキーシリンダーに黒い輪っかが嵌っている。

IMG_0722.jpg

これがトランスポンダーリングだ。

今一度、注意深くランプの点灯と火花の状態の関係を検証すると・・・・

ランプが点灯するのはキーの位置がSTARTの時だけ。ONの位置やACCでは消灯している。
トランスポンダーリングを触ると軸方向に数ミリ移動する。何でこんなにガタがあるんだ?

で、手前に目いっぱい出した状態だとキーがどの位置でも点灯しない。
奥に押し込むとスタート位置で点灯する。

これで主原因判明。
始動できなかったのはスタート位置でセキュリティが作動していたから。
ONの位置では認識するのでナンボでも走る。

勘弁してくれよ。
主が使えなくなるセキュリティなんか間抜け以外の何物でもない。


で、頭にきて・・・・

IMG_0723.jpg

キーを分解してICチップを取出し、セメダインスーパーX でトランスポンダーリングに貼り付けた。
念のため、上からアルミグラステープで補強した。

これでトランスポンダーリングの位置がどんな状態でも一発始動するようになった。

インジェクションのカプラー、温度センサーなどのカプラーなど、目につくものを片っ端から抜いては掃除して接点グリスを塗って挿し直し、ようやくリフトから降ろすことができた。

実に4か月ぶりの公道復帰。

IMG_0724.jpg


追記
以前から温まると油圧計の指示が下がってエラーオイルのランプが点滅していたが、最近とみにひどくなった。アイドルでは警告灯が点灯するほど。
オイルは規定量入っている。燃料で希釈された様子もない。
またセンサーの不調なのか。回転数が上がると高い方に振り切れるので、実際に油圧が下がっている訳では無さそうだが、非常に不安を掻き立てる症状だ。
これもEVO以降モデル特有の症状らしい。
あらゆるところが初期モデルと比べて著しく低品質。
こんなメーカー(Fね。念のため。)の製品を有難がる人の気が知れんと思う今日この頃。

欲しくても買えないけど。

油圧計は忌々しき問題ゆえ、いずれ何とかせねば。



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