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クアトロポルテのステアリングリンケージ [MASERATI]

なんか、いろいろあって、わらしべ長者状態でラックエンドとタイロッドエンドを一式入手した。

タイヤも丸坊主だし、この際きっちり直そうと決意してまずはタイヤから。

車が曲がりなりにもサルーンなので、コンフォート系のタイヤを選びたかったのだが、最近お世話になっているトーヨータイヤではリアの該当サイズがない。245/40-17を245/45-17へ変更すればあるにはあるが、この手の車のことでこの僅かな違いが許容できない無理やりな造りになっている可能性もあって、ひとまずスポーツ系のプロクセスT1スポーツにした。
ちょっと安かったし。

それに先立ち、まずはホイールの掃除。
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ウエイトを剥がして入念に掃除する。
なんかいろんなものが付着していてえらくばっちいが我慢して掃除。
堅いピッチ状のものはスクレッパーでこそぎ落とし、コンパウンドで磨く。
ホイール裏側の塗装は思ったよりも薄くエエ加減で、ちょっとコンパウンドで擦ると
あっさり下地が出てくる。外側の見える部分だけ良ければいいという姿勢が丸見え。

まぁ、なるだけ塗装を落とさないよう手加減しながら全体を磨きだした。

このままホイールはタイヤ屋さんへGO.

さて、お次は問題のタイロッドエンド。
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見た目は内側の損傷が酷い。ブーツが裂けてグリスまみれになっている。

前回逝かれていたのも内側だったので、今度もかと思って取り外してみたら、以外にも
内側はブーツの損傷だけで壊れていない。一方で外側はガタガタになっている。
手で動かすとゴリゴリの感触。ガタも出ていて上下前後左右に遊びがある。
ダメだこりゃ。

内側のブーツが裂けていたのは、ハンドルをフルロック近くまで切ると内輪側の内側タイロッドエンドが排気管に接触するためで、排気管には当たった跡がある。ハンドル直進状態でも排気管に近すぎて、熱でやられてしまった模様。
それに追い打ちを掛けるように最近のエンジン不調からこの辺りは高温に晒されていたのでさもありなん。

それにしてもなんか変だ。
もう少し余裕があってもいいんじゃないのかと見ていたら、排気管はスタビライザーにも接触している。
いくらなんでもどこもかしこもクリアランス無さ過ぎ。
ということで、エンジンマウントがへたってエンジンの位置そのものが下がっていると判断した。
結果、配管の位置が下がってタイロッドエンドに接触していたのだ。
フルロック付近でバックするとゴキンという異音が時折していたのはここが原因だったと判明。

で、反対側。
ブーツは破れていないが何故かガタガタ。
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よくよく見るとロッドエンドの角度が変。
内側にフルロックする角度で固定されている。
真剣に見てみると、このリンケージ、素人設計?
まず、リンクの使い方を間違えている。

タイロッドエンドを内外で90度捻っている。
一見、こうすれば三次元の動きに追従できそうだが、力を伝達する場合は甚だ不適当だ。
ボールエンドのハウジング側とボール側の動きで考えると、力を伝えることができる最も良い角度はハウジングとボール側が90度の時で、角度が付くにつれて許容量は低下する。
何故なら、軸受け内部構造がビー玉の上下を切り飛ばしたような形状なので、角度が付くと接触面積が著しく減少するのだ。
加えて、回転運動が掛かるので、内外のボールエンドは平行に置かれていないといけない。
角度を付けながら回転運動をさせるなんて最悪の組み合わせだ。
もし、90度を保っているなら回転運動が加わっても多少は許容できるだろう。

何で90度になっていないか?
理由は明らかで、ナックル側の加工角度がおかしいからだ。
この部品は当時のギブリやなんかと共通品番となっている。
つまり、S字型のアッティバ用の部品なわけで、S字型のレバーを使用している場合は
タイロッドの内側の高さがステアリングラックと同一平面にある。
ところがこのクアトロポルテからはこのレバーがS字型から変形Y型になり、タイロッドの
内側の位置がステアリングラックより高い位置にくるようになってしまった。
この変更でタイロッドの角度が大きく変わったのに、肝心のナックルの取り付け部の角度を
変更しなかったためにこんな無理をしているのだ。

ボールエンドの動く方向の問題、取り付け角度の問題、併せて明らかに設計ミスだ。
本来ならリコールものだろうと思う。
イタリアの零細企業だから大目に見てもらっているだけで、恥ずかしいことこの上ない駄作である。
これがトヨタやVWがやってしまったらどんだけ叩かれることやら。

とりあえず、現状如何ともし難いので元通り新品部品で組み立てるが、近日中に対策を立てるつもり。
これは放置し難い酷い欠陥だ。
ちなみにシャマルはこんな問題起きない。
222やカリフもしかり。
何故ならS字型のメカニカアッティバリンクを使用しているマセラーティは、タイロッドエンドの動きを同方向に揃えているからだ。どのボールジョイントも全部ハウジングに対して軸が回転する方向で動力を伝達している。
クアトロポルテだけ、角度を変えながら動く使い方をしているのだ。
シャマルは買ってから20年、距離は10万キロを超えたが一度もステアリングリンケージは手を入れていない。
クアトロポルテは2年5000㎞持たない。

さて、対症療法だが内側のタイロッドエンドの対策から。
まずは熱対策。
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断熱材を排気管に巻きつけた。
マフラーの大半が二重管構造なのに、このフロントパイプ部だけがシングルになっている。
気休めだがやらないよりマシということで巻いてみた。狭いのでえらく難儀したが、まぁ、できなくはない。
これでステアリングラックへの影響も少なくなってくれればと願う。

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続いてエンジンマウント。
交換するべきなのだろうが、とんでもない値段なのでここも対症療法で行くことにした。
3.2mmのワッシャーを2枚ずつ挟み込んでエンジン位置を持ち上げた。

効果はてきめんで、スタビライザーもタイロッドエンドも大きく隙間ができるようになった。
少なくともこれで内側のロッドエンドは多少寿命が延びるだろう。

そうこうしているうちにホイールが返ってきた。
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やっぱり新しいタイヤはいいねぇ。

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ホイールはもう一度コンパウンドで磨いてポリマーコートを内側まで掛ける。
その間にタイロッドをブラストしてガンコートを掛けた。
元々金色だった筈だが、上からシャシーブラックをこれでもかと吹き付けられていて、剥がすと
元あったはずの金色のコートも殆ど剥がれてしまっていた。
ま、これで当分綺麗でいてくれるだろう。



オイル漏れ修理諸々 [MASERATI]

最近洗車するとフロント周りから油膜が出るなと思っていたが、怪しい所だらけで上から覗くだけではどこから漏れているのかイマイチ特定できていなかったが、オイル交換の際にここだと思われる場所を発見。
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オイルクーラーの配管で、ホースのカシメが甘くて漏れるらしい。

そこで、ジャンク箱の中からこれを出してきて・・・

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ホースだけ流用。

3200GTのオイルクーラーだが、これはAT用なのでウチのクアトロポルテには使えない。
ホースはよく似た長さなので合わせてみると問題なさそうだ。
カシメの形状が違っていたので車屋さんに聞いてみると、以前漏れたのでリコールだか何だかで交換したことがあるという。
ウチのクアトロポルテは並行輸入車なのでリコール無いもんな。

ところで外そうとして、ユニオンが緩まずえらく苦労した。
最後は壊す覚悟で無理やり体重を掛けて回す始末。
何とか外れたが、過去に漏れ修理のつもりで無理やり締め上げたようだ。
馬鹿力で締め過ぎていたのでネジ山が心配だったが、まぁ、使えそうで一安心。

ついでに周辺の配線のコルゲートを交換した。
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電動ファン周辺の配線のコルゲートがぼろぼろで、触るとバラバラに砕けて崩壊していく。
中国韓国製品が裸足で逃げ出すような品質だ。
「恥ずかしくないのか、ヲイ」と心の中で悪態付きながら片っ端から砕いて撤去。

次に、これまたジャンク箱の中にあった配線にかぶっていたコルゲートを引っぺがし、
順次被せてインシュロックで留めて完了。

リフトアップしたついでに各部点検。
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うーむ。
タイロッドエンドがまたダメになってる。
最近ブレーキ掛けるとワナワナするのはこれが原因か。
やれやれ。

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