4FG1ヘッドオーバーホール5 [ISUZU]
バルブを組みます。
バルブのすり合わせを細目で仕上げたら、ポート内とバルブガイド内を入念に洗浄し、
ステムに薄くグリスを塗って挿入。
スプリングシート、ステムシール、スプリング、リテーナー、コッターの順で組み立てます。
カムシャフトまで載せたら一段落です。
ここでカムを組むのにはいくつか理由があります。
ひとつは、カムシールがまっすぐ入っているか、車載では判り難いこと。
ロッカーアーム方式なので、カムを載せてもバルブが開かないこと。
カムのメタルを落とすなどのトラブルが防げること。
です。
カムの分だけ重くなるので、搭載作業はそれだけしんどくなりますが…
使っているのはストレート製のバルブスプリングコンプレッサー。
ちょっと大きめのエンジンにはこれが重宝します。
カバーに塗ったリンクル塗料が乾燥・硬化したのでロゴを磨ぎ出して完成。
イイ感じに仕上がりました。
次は、エンジンマウントの交換。
ヘッドが降りた状態だと比較的楽に交換できます。
このように、エンジンリフターで吊り上げてマウントを切り離します。
左が新品、右が旧品です。
この潰れ方を見るともうお亡くなりです。
振動軽減に効果がありそうです。
4FG1ヘッドオーバーホール4 [ISUZU]
バルブは全部磨く。スコッチブライトでピカピカになるまで。
ちなみにこれは自己満足半分で、磨いてもそのままでも大して性能には影響しない。
多分有意な差は出ないと考えているが、磨くことで傷や腐食の状態を知ることができる。
少々傷があっても、腐食していても結局は使うので同じといえば同じだが、
どういう状況にあるか知っていたい。
ヘッドはストレートで売っている「サンエスK」で洗浄。
バケツヒーターで温度を上げるとしつこい油汚れもきれいに落ちてくれる。
灯油は洗浄に向いていない。
温度を揚げればそれなりに落ちてくれるが、冬場の外気温だと水かと思うくらい落ちない。
温度を上げると臭いし、火が付きそうでちょっとビビり気味。
もっと研究の余地あり。
ヘッド組み立てはちょっと一休みして、カムカバーを塗装してみる。
元々無塗装のアルミ地金剥き出しの愛想も何もないカバーだけど、PF60のZZ-Rにあやかって
ブラックヘッドにしてみた。
塗料は「キノクニ」で買ったリンクル塗料で、乾燥させる際に熱を加えるとシワシワ模様が出る。
アメリカ製でえらく臭い!マスクもせずに塗っていて吸い込んでしまい、思わずむせ返る・・・
少し厚めに塗って生乾きの状態からガスバーナーで炙って模様を付けた。
結構いい仕上がりになった。
4FG1ヘッドオーバーホール3 [ISUZU]
バルブを外します。
インテーク側はスラッジでゴテゴテ。エキゾースト側は煤で真っ黒けです。
ブローバイが多いのか、ステムシールから漏れているのか・・・
いずれにせよ結構な量のオイルが燃えている様子。
当然ポートも同じ状態。
シート当たり面はボロボロなので、シートカットをすることにしました。
作業をしていて、困ったことが。
きちんとカッターの刃がシートに当たりません。
削っていくと、左右方向で当たり面の幅が偏る・・・?
なんでやねん。
何度もセットし直し、慎重に削るけど傾向は変わらず。
どうやらシートリングとバルブガイドのセンターが一致していない模様。
4番はほとんど問題無い位置だけど、1番に近づくにつれて偏心は大きくなる…
元々の加工精度が非常に悪い。
製造は94年。
油漏れもあちこちあって酷い。
会社が傾くと製品も傾くのか?
それとも製品がこうだから会社が傾いたのか??
鶏が先か卵が先かみたいな話だけど、考えさせられる。
何とか規定の範囲内に収まるようにシートカットしたけど、えらく時間が掛かった。
このヘッド、2度目のOHは無いな・・・・
バルブも磨いてみる。
結構段差が付いているのでフェースカットして貰った。
これは外注。