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S-601 納車整備8 [ラビット]

トルコンの組み立てに入る。

P6071655.JPG

一度分解されている形跡がある。薄い紙パッキンに液体ガスケットが塗られていた。
シールの外径が特殊なため、ラビットハウスさんのキットを使用してリペアする。

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紙パッキンの代わりにOリングでシールするため信頼性が高い。

P6071657.JPG
P6071663.JPG

出来上がり。これをクランクケースに組み付けて・・・
次いでトルクコンバータ本体を組み付けようとしたところ・・・・

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なにやら見慣れぬ物体を発見。
どう見ても、ニードルローラーベアリングのニードルだ。

パーツカタログで確認すると、内部にスラストベアリングが組み込まれている。
これか?

P6071659.JPG

仕方ないのでトルクコンバータ本体を分解した。

P6071660.JPGP6071661.JPG

ハウジングの内面とタービンの外面にはびっしりと打痕が付いている。

P6071662.JPG

肝心のスラストベアリングはというと・・・
バラバラ。1本もニードルが残っていない。

サイズを測定すると、これまた特殊規格で内径は合う物があるが、外径が2mmほど
小さいのだ。ググってみても、過去のヤフオクの情報が出る程度で有意な情報は無い。
ラビットハウスの山田氏に問い合わせてみたが、やはり在庫はお持ちではないようで、
現行の部品で何とかするしかない。

ひとまずモノタロウで純正のスラストベアリングの外径に近いサイズのものを
2種類発注してみた。アンダーとオーバーだ。

次いで、このベアリングが組み込まれるタービン側を検証。
肉厚はあまり無さそうだ。

程なくしてスラストベアリングが届いた。
早速現物を見比べて切削加工をしてオーバーサイズを組み込むことにした。

P6131664.JPG

数回に分けて突っ切りバイトで慎重に内径を広げる。

P6131665.JPG

片肉1mm削り、市販のベアリングが収まるようになった。

タービン側はこれでOKだが、反対側のハウジングに問題あり。
ニードルのケージが接触した状態で結構動かされたようで、完全な平面ではなくなっている。
こちらも切削加工したいところだが、上手くチャッキングできないので機械加工は断念した。
ひとまずこの状態で復旧して問題が出るまで使ってもらおう。

トルクコンバータを組み付け、オイルを満たして試運転してみた。

ひとまず修理は成功。問題なく加速する。

が、他にも問題点がチラホラ。
まずはヘッドライト。自動車用のものが取り付けられていて、光軸がでたらめ。
フィラメントの配置が違うのか、ハイ/ローの切り替えも変。
これはスペアの中古純正シールドビームに交換した。

次いで、200m程走ると必ずエンストする。暫くすると再始動可能だが、全然吹けない。
5分ほど放置すると、また200m位は走れる。
どうやら燃料が落ちて来ていない様だ。
燃料計も動いていないので、内部を掃除しようと分解を試みるが・・・

P6201669.JPG

燃料タンクの左側に上下に貫通するパイプがあり、その中をスピードメーターのケーブルと
スターターバルブのケーブル、ワイヤーハーネスが通っている。
つまり、これらを全部分解しないことにはタンクを車体から外すことができない・・・

全くもって、あきれるのを通り越して感心するくらい後々の整備性を考慮していない設計だ。

タンクを取り外すことはひとまず断念して、燃料計の修理だけでもと分解を始めたが・・・

P6201668.JPG

むー。固着を外そうとウォーターポンププライヤーで少し回転させたらあっさり壊れた。

アンチモンのダイキャストなのだが、肉厚が薄い上に劣化しているのかボロボロ崩壊する。

それでも何とかフロートを取り出した。

P6201670.JPG

内部は錆とガソリンの変質したワニスでベタベタザラザラだ。

内面を入念に洗浄し、キャブレタークリーナーでフロートを洗浄する。

この燃料計、良く考えられている。

針は薄い金属板に接続されていて、緩くねじれている。
一方、フロートには切り欠きが縦に付いていて、それが外筒のあわせ面(板を丸めて筒にしている)
に、内側に向けて突き出た耳が設けられていて、そこにフロートの切り欠きが噛みあって、
フロートは回転する事無く液面に応じて上下に移動する。
このフロートの位置に応じてねじれた金属板が回転して針が動くのだ。

P6201671.JPG
P6201672.JPG

さて、割れたアンチモンはエポキシ系の接着剤で固めた。
粉々になった部分はひとまずアルミテープで穴を塞いだ。

外したカバー類を元に戻し、キャブレター側から燃料ホースにエアを吹き込んでみたら、
燃料が落ちてくるようになった。
タンク内にゴミがあるのだろう。

試走すると、今度は何キロ走っても止まることは無くなった。

とりあえず、この状態で引渡しをすることにしてトラックに積み込んで岡山まで届けた。
燃料タンクは後日、部品取り車の別のタンクを処理してから交換することにした。

やれやれ、半年近く整備に時間を掛けてしまった。
遅くなり申し訳ない。

ひとまず納車整備はこれで終わり。





S-601 納車整備7 [ラビット]

さて、シリンダーの組み立て。

ピストンはリングも外して溝を入念に掃除した。
ピストンピンは、スムースに抜き差しできるように、目の細かいペーパーで
ピン穴内面を仕上げておいた。

クランクケースのベース面を脱脂しておいて、ガスケットを貼り付け、リングの位置決め
ノックピンに注意しながら慎重にシリンダーを取り付ける。
シリンダーが納まったら、軽く固定ナットを掛けておいてから数回クランクを回して
滑らかに動く位置を出す。
ラビットにはシリンダーのノックピンが無いのでこの作業が必須。
対角にシリンダーの固定ナットを締め付けて、取り付け完了。
締め付けトルクは2kgf/m。

P5101625.JPG

次はヘッド。シリンダーほど気を使う必要は無いが、ガスケットの当たり面は
入念に掃除して、オイルストーンを掛けておく。
ここも十分脱脂してからパーマテックスを塗布したヘッドガスケットを載せる。
601のヘッドガスケットは変な形をしていて、真円ではない。
スキッシュ効果を狙ったのかとも思ったが、よく判らんな。真相は不明だ。

P5101626.JPG

一応、燃焼室内面は綺麗に掃除をしておく。
前回分解された際に付いたと思われる傷が多数あったので、これも磨いて消しておく。
本当なら修正面研を掛けたいところだ。

ヘッドは締め付けトルクが2.6kgf/m。数回に分けて締め付けた。

続いてチェーンケース。

P5101627.JPG
ケースに残っていたベアリングを引き抜く。

別に問題は無いのだが、標準クリアランスのベアリングのようなので、ここはC3をチョイスして
耐久性重視とする。C3のベアリングは音は多少出るが、破損のトラブルが出にくい。
なので、駆動系にはこれを使用することにしている。

P5101629.JPG

P5101628.JPG

カバーのアイドラーベアリング。
これって、ストッパーも何もなく、ただ嵌っているだけ。位置決めはケースとツライチのようだ。
これでもまぁ、機能的には問題無いが、設計思想としてはどうなのよ・・・

叩くと割れそうなのでプレスで押し出し、圧入もプレスで行った。

P5101630.JPG
続いてアクスルシャフト。
このベアリングもプレスで圧入する。

この後、シャフトをケースに組み込むのだがこれが難儀した。
嵌め合いが硬く、プラスチックハンマーで叩いたくらいでは入ってくれない。
仕方なくこれもプレスで圧入するが、ケース側も両方からベアリングを圧入する
構造なので、そこにシャフトを押し込むと、反対側のベアリングが抜けてくる。

ジグを様々に工夫しながら何とか規定の位置にシャフトを納めたが、
サービスマニュアルによると手工具だけでインストールするようだ。
ちょっと無理。
もし、次回やるなら専用の圧入工具を作ろう。

P5101631.JPG

さて、折り返し地点は過ぎた。
次はトルコンのシールだ。

S-601 納車整備6 [ラビット]

さて、外したチェーンケースの裏側はこんな有様。

P5051615.JPG

アクスルシャフトの右側に嵌っているカラーが曲者で、外径が35.5mmときた。
これでは市販のオイルシールが使えない。ラビットにはこういった規格外の独自寸法が
チョコチョコ見られる。

先日友人と話していて辿り着いた結論は、「社外品を使えなくするため」ということ。
要するに、純正部品しか使えないように、わざと変な寸法の部品を使用しているのだ。

現代の感覚で言うと、「独りよがりで気の利かない間抜けな設計」となるが、
時代背景を考えると粗悪な社外品というのが多かったのではないか。
それで、敢えて品質の保証された純正部品しか使えないようにしたのではないか。
特にオイルが漏れて困るアクスルシャフトやトルコンのオイルシールは
そのようにしたのではないかと推察した。

が、それから半世紀以上経過した現在でこれを何とかしようとすると、当然メーカーの
純正部品は供給されないし、メーカーも想定した耐用年数を大幅に超えて運用されている
車両に対して新たに部品供給する気なんかさらさら無いだろう。
なので、市販品を流用するしかないが、そうなると当然前述のような問題が発生する。

今回、ここのオイルシールは内径が35mmのものを使用することにした。
直径で0.5mmカラーを削り込めば良いのだが、そうなると片肉0.25mm。
素人が削るには結構難易度が高いうえに、どうやら表面焼入れがされているようなので、
敢えてキツ目のシールを使用してみることにした。
軸の周速度が大したこと無いので、正常に潤滑されていれば問題は出ないだろう。
もし問題が出れば、その時は外径35mmのカラーを新規に作れば良いだけだ。

P5061616.JPG

ケースを洗浄したら、油粘土の下から出てきた表面は銀色のラッカースプレーで塗装されていた。
足付けも脱脂もせずに塗ったらしく、まだらに剥がれている。
義父に聞くと、どうやら自分で塗ったらしい。・・・・仕方ないなぁ。

とりあえず、機能に問題は無いのでこのまま組み立てる。

一方、この油粘土の発生原因は?というと、裏側の汚れ具合からするとエンジン本体が怪しい。
シリンダー周辺を観察すると、あちこちから油が漏れた形跡が。

P5061617.JPGP5061618.JPG

ここまで来たら、後8本ネジを外せばピストンまで見える。
ヘッドを外すと、案の定ガスケットが吹きぬけた形跡があった。
シリンダーのベースパッキンも同様。
ガスケットを交換せずに、シリコンシーラントを塗りたくって組んだ跡があった。

P5061619.JPG

ピストンの側面には酷い齧り跡がある。恐らくゴミ噛みによるものだろう。
焼き付きでは無さそうだ。
ピストンピンを抜こうとするが、硬くて抜けない。結局ハンマーで叩き出したが、外れたピストンを
観察すると、ピン穴周辺に沢山打痕がある。クリップの溝が叩かれたせいで棚落ちしている。

フルフローティングの筈のピストンピンは、ピストンに固着していたようだ。
ピン穴内部にもダメージが及び、焼き付きのような状態になっている。

P5061620.JPG

幸い、クランクシャフトにはダメージは無いようだ。

何で、シリンダーを外したのか定かではないが、分解の際にピストンピンをむやみに
叩き出したこと、ガスケットを交換しなかったこと、ゴミを噛ませたまま組み立てたこと、
これらの作業のまずさが今回のトラブルの要因だ。

ピストン側面の傷はオイルストーンで入念に磨いてかえりを完全に除去した。
深い縦傷は残るが仕方ない。
ピン穴周辺は、棚落ちしている部分を慎重に鑢で削り取った。
あまり好ましくは無いが、予備のピストンを持っていない以上何とか再利用するしかない。
破片が脱落して噛み込むのを防止するのだ。

P5061621.JPG
真っ黒けのクランクケースを洗浄する。
酷い有様としか言えない。

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洗浄後、ピストンを組み立てた。

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シリンダー内部にも縦傷がある。
これをホーニングして傷を消した。
入念に洗浄して組み立て準備完了。

P5101624.JPG

今回使用するガスケット類はこれ。
純正品のデッドストックだ。
当時のガスケットはアスベストを使用していたりするので取扱いには注意。
カワサキを触り慣れた経験からすると、随分薄いジョイントシートを使用している。
これで漏れないのか甚だ疑問だ。
今回はこのガスケットにパーマテックスの液体ガスケットを塗布して使用する。

ちなみにヘッドガスケットとベースガスケットはこれで在庫1となった。
もう601のエンジンは後1回しか純正部品を使ってのオーバーホールはできない。

S-601 納車整備5 [ラビット]

最初はちょっと手直しして渡すつもりだったけど、
だんだん何やっているのかよく判らなくなってきましたw

暫く停めておくと、チェーンケースの下にオイルの滴が落ちる。
本体がドロドロなのはこのせいか?
散々洗浄したけど全部を落としきることはできず、とりあえずリアホイールを外して
洗浄してみることにした。

P5041605.JPG

リアホイールの裏は凄まじいまでの油汚れだ。
何処から漏れているのか・・・

P5041606.JPG
とバックプレートを見てみるが、疑っていたアクスルシャフトの
オイルシールはシロ。ここでは無さそうだ。

となればチェーンケース、トルクコンバータ、後はシリンダーとマフラー周辺だ。
黄ばんだ透明な油が垂れているので間違いなくチェーンケースからは漏れている。
黒い油は排気ガスか?
チェーンケースは開けざるを得ないだろう。ということで・・・

P5041607.JPG
トルコンの油を抜き・・・

P5041608.JPG
コンバータ本体を引き抜き・・・

P5041609.JPG
裏は真っ黒け。
油でドロドロ。

で、チェーンケースの分解をしようとするが、あらゆる場所がフレームその他に干渉する。
P5041610.JPGP5041611.JPG

ダンパーを外したいのだが、ボルトがフレームに干渉して抜けません。
車体を大きくジャッキアップして、エンジンを無理やり下げ切ってようやく抜けました。

更に、マフラーのステーがチェーンケースのカバー側に留められているため、
マフラーを外さないとケースが分解できない。
その為にはファンシュラウドを外す必要があるが、その為にはキャブレターが邪魔で
まずはキャブレターから・・・

P5051612.JPG

とまぁ、何もかも分解しないと目的の場所に到達できない整備性の悪さ。

殆ど9割がたチェーンケースが剥き出しなのに、この体たらく。

ブツブツ悪態をつきながらもケースが抜けかけたが、今度はアイドラーのベアリングが抜けない。
ガタガタなのに抜けません。
サービスマニュアルによると、変な形の特殊工具が要るらしい。
そんなもの無いので、あり合わせの工具を駆使して何とか抜きましたが、もうしたくないのが
正直なところ。

P5051613.JPG

んで、駆動系を一緒に取り外すのだが、このチェーン、1次側も2次側もグダグダに緩いのに
どうやってもスプロケットから外れない。仕方なく、ジョイントを外して分解しました。
スプロケットはというと・・・

ドリブン側、つまりアクスルシャフトのスプロケットはクラウンナットで締め付けられ、
割りピンで固定されているが、これを緩めていると、何かがポロリと落ちた。

P5051614.JPG

!!!
先端の擦り割りの片側が脱落。
ここはスピードメーターギアが勘合する部分だ。

よくよく観察すると、割りピンの穴が、擦り割に対して直角方向に開けられていて、
突起部の断面積が極端に少なくなっている。
これでは割れる訳だ。
穴位置は擦り割りより奥に位置しているのでそれに平行に穴を開けるか、
溝そのものをもう少し深くして穴あけは避けるべきであろう。

明らかにデリカシーの足りない設計だ。

設計の拙さを非難していても埒が明かないので、とりあえず分解を進める。

シャフトは以前数本新品を持っていたのだが、実家で保管している際に捨てられてしまい、
残念なことに一本も残っていない。当時はなんでこんなにアクスルシャフトばっかり
新品をストックしているのか理解できなかったが、今回の件で、軒並み折れたのだと理解した。
もし自分が設計者なら、穴があったら入りたい心境だろう。

補修は困難だし、片側が残っていることもあるので今回はこれをこのまま再利用することにする。
残りが折れてもメーターが動かないだけだ。




低速不良解決 [ラビット]

散々梃子摺らされた低速不良だが、何とか解決した。

P3291587.JPG

右が新品、左が外したもの。

とりあえず、ポイントのギャップ調整をしようとセットビスを緩めたところ、
どの位置に持っていってもコンタクトが開かなくなってしまった。
当然火は飛ばない。

P3291588.JPG

よくよく観察してみると、ヒールが見事に磨耗している。
これが原因で接点が開かなくなってしまったのだ。

暫く前に入手していたデッドストックの飯田マグネトー用のポイントを
取り付けてみた。この車両も私の車両もどっちも国産電機製なので、使えないと
思っていたが、駄目元で組みつけてみたが何の問題も無い。

もしかしたら飯田用と思い込んでいただけで、国産電機用だったのかもしれない。

低速が不調だった原因は、ポイントのヒールが磨耗したため、接点の開きが
少なくなり、その結果アークを曳いて電流が遮断され難くなってしまい、
コイルの二次側電圧が十分に上がらなくなったことでミスファイヤの割合が多くなって
ストールしていたと推測。

ヒールの磨耗の原因は、カムに錆が発生したためであろう。

入念に磨いてグリスを塗って組み付けた。

相変わらずセルの回りは悪い。
ちょっとはマシになってきたところを見ると、ブラシの当りも影響があるようだ。
暫く様子見としよう。

さて次は、オイル漏れ退治だ。

S-601 納車整備4 [ラビット]

謎の低速不良を発生して早1ヶ月。
何も進んでいない作業・・・

あれこれ考えて、とりあえずフロートバルブを交換してみることにして、
入手したKX65用の部品。

P2081579.JPG

むー、全然違う・・・

そこで、今度は別の車両に付いていた予備のキャブレターから部品取りをすることにした。

P2221585.JPG

しかし、分解してみたところ元のキャブレターのほうが程度が良さそう。
バルブボディを咥えて息を吹き込みながらニードルを押し込むと、どちらも止まる。
フロートバルブはグレーだが、全然駄目という訳では無さそう。

で、この予備のキャブレターを入念にOHして組みつけてみた。

P2221586.JPG

症状に全然変化なし。
相変わらずアイドリングを下げることができない。
と言う事は、キャブレターのOHはどちらも成功で、他に問題があるということだ。

エンジンが回る条件は、エンジン本体の機械的な部分と適切な燃料、そして適切な電気だ。

乗った感じではエンジンは静かでコンプレッションも十分ある。マニホールドなどからの
二次エアの吸い込みも無い。排気も良く抜けている。
燃料はキャブレターを交換しても症状に変化が無いことから問題ないと判断。

残るは電気だ。

ポイントのヒールは結構磨耗しているように見えた。
エンジンが掛かることから機能そのものは一応問題無さそうだ。
ポイントの不調の原因の多くはこのヒールの磨耗による作動量不足と、接点の不良、
そしてコンデンサの不良だ。

よって、次のアクションはポイントとコンデンサを交換してみる方向で。

なかなか道程は長い・・・
部品を調達せねば。

続く。


S-601 納車整備3 [ラビット]

1月には送り届ける筈だった601は、動くようにはなったものの不調が判明。

謎の失速とセル回転不良だ。

まずはセルから。
前回分解して掃除をしたものの、やっぱり回りが重い。
そこでラビットハウスの山田氏より再び入手したブラシに交換する。

P1181544.JPG

ご覧の通り短くなっている。これを新品に交換。

・・・するも、動きに変化なし。

念入りに洗浄しても同じ。

日も暮れてきたので本日はここまで。


さて翌日。
リベンジである。
今度は私の601と同じようにフィールドコイルを取り外して掃除。
よくよく観察すると・・・

P1191548.JPG

コミュテータが酷い荒れ方である。
「これが原因か!」・・・と、ステーターを取り外そうとするが、これが外れない。
諦めて車上で整備。

P1191549.JPG

ひとまず荒れがなくなるまで手作業で研磨。

P1191550.JPG

真っ黒けだったフィールドコイルも洗浄して・・・

P1191551.JPG

フィールドコイル組立て。
・・・なんか変。キーの高さが何か低いような・・・・?
ウッドラフキーの在庫が無いのでひとまずこれで組立てる。

P1191552.JPG

滑ったような跡は無いのでひとまず安心するが、それにしてもコンディションがいまひとつ。

P1191553.JPG

何度も分解したり組立てたりしているうちに、ファンの入り口にある、かつてはゴムだった
インシュレーターというかシュラウドが崩壊。
まるでエボナイトみたいにカチカチ、パキパキになってしまっている。
いさぎよく撤去。
これが振動で回転してしまうとマフラーに触れて燃えるから。

さて、お次はどうも吹けアガリがイマイチな件。

インテークマニホルドの2次空気吸い込みを疑ってガスケットを製作。

P1191554.JPG

早速試運転。
・・・全然状況は変わらず。
相変わらずセルの回りが悪い。

何なんだろ?

そうこうしているうちに、暫くアイドリングさせると突然エンストする。
アクセルを少し開けて高めの回転を維持している限り止らないのだが、
戻すと暫く調子良く回った後に突然死。

こんな変な症状初めてだ。
再始動は容易だが、繰り返しているうちにカブってしまって再始動できなくなった。

どうやらオーバーフローしているようで、ガソリン臭い。

フロートバルブに問題がありそうだ。
本日はここまで。

S-601 納車整備2 [ラビット]

さて、明けて元旦。

早速昨日の続き。

PC311560.JPG

燃料コックを取り外してみる。
中からは腐ったガソリンが結構出てきた。
ゲージはEを指しているので固着しているのかも。
何年放置されていたのか、凄まじい臭いだ。眼が痛い。

あまりの臭いに堪らず外へ出した。

その間に燃料コックの整備。
カップが割れていて使えないのでストックしていたリプロ品を取り付ける。
ラビットハウス製。

良くみると、コックの下に何か付いている。引っ張ると外れた。
カバーみたいに見えるが、良く観察すると非常に目の細かいメッシュを張っている。
初めて見た。ストレーナの本体だ。
キャブレタークリーナーで洗浄して組み付ける。
コック本体も漏れをチェック。本体は問題無いようだ。

タンクの内部を新しいガソリンで洗浄し、フツーのビニールチューブだった燃料ホースを
専用のものに交換する。

P1011565.JPG

スロットルを操作すると異様に重い。
キャブレターのピストンを抜いてみた。
ニードルの先端にびっしりスラッジがくっついている。

これは駄目だとキャブを外しに掛かるが・・・
写真に写っている変な形の秘蔵の特殊工具を持ち出して当ててみると・・・・
・・・・空回り。
む~、ナットがISOのステンレスに交換されている・・・
JIS規格の筈なので、M8ナットの二面幅は14mmの筈である。
一方ISO規格だと13mmだ。

ここのナットはこういった変な形のスパナじゃないと回せない。
このスパナは昔ダイソーで売っていたのだが、売れなかったのかすぐに姿を消した
幻の品である。

ちなみにこのラビットを整備していたのは義父である。
昔の人なので、ステンレスを盲目的に使いたがる。
ちなみに私はステンレスのネジが大嫌いだ。
焼き付き易いし、何より周囲が電食で腐るからだ。
車やバイクにこういうネジは使用するべきではない。

気を取り直してM8のナットを捜すが、ここに使用する6割ナットという
薄手のナットが見つからない。今回は諦めてこれを使用する。
キッチリ締められないので後日交換予定。

P1011566.JPG

さてキャブを開けてみる。
私の601と違ってクリップ留めのフロートチャンバー。
内部は見ての通り酷い有様。

P1011567.JPG

ホルツのキャブクリーナーで念入りに洗浄した。
構造が簡単で助かる。

P1011568.JPG
完成!
クリップ留めだけど、フロートチャンバーには隅にビス穴が存在する。
本体にはビス穴が無いのでクリップで留めるしかないのだが、四隅には
ビスのための肉が付いている。穴もあるがネジ山が無い。
タップを立てればビス止めにも改造できそうだ。

P1011564.JPG

チェーンケースのギアオイルも交換する。
蜂蜜みたいな粘々の真っ赤なオイルが出てきた。
周囲は漏れた油でコテコテ。とりあえずパーツクリーナーを吹きかけては
古いハブラシでゴシゴシすること30分、大体綺麗になった。
問題は、どうしてこんなになったかだ。
何処からか漏れているのかも知れないが、まずは掃除しないことには
漏れている場所もわからない。

新しいギアオイル(SHELL スパイラックスEP80)をインスペクションホールから
溢れ出るまで注入した。

これで走れる筈。
新しい混合ガソリンを入れて、セルを回すと・・・
あっけなく始動。
早速庭で試運転。私の601より静かで滑らかにエンジンが回る。
トルクもあって非常に走りやすい。

後は動かない燃料計と回りの悪いセルダイだ。

続く。

S-601 納車整備1 [ラビット]

訳あって暫く前からウチにあるS-601。
これは私のじゃなくて、某スクータークラブの会長さんが乗っていたものだ。
亡くなって久しいが、訳有り物件なので売却するわけにも行かず、
かと言って同じC3を使い分けるほど乗ることもできず、ガレージの中で埃を
被ったまま放置する状況が続いていた。

そこで、サビサビクラブの「なを氏」に初期型フローリアンとトレードすることになった。
貰い物なので売ることはできないが、お互い、「要らなくなったら返してね」という
約束で互いの持ち物を交換することにしたのだ。

当然ながら、不慮の事故で失っても仕方が無い。
それもお互いさまなのだ。
金で清算するのは簡単だが、両者の利益が一致するならこれもアリだと思っている。
ま、長い付き合いだからできる事でもある。

PC311547.JPG

まずは引っ張り出して検分。
バッテリーとタイヤは駄目な事が判っていたので事前に用意してある。
それ以外は少々錆びていることと、エンジン周辺の汚れが酷いことだ。

まずはエンジン始動しないと話にならない・・・ということで、バッテリーから着手。
私の601と同じ、ウエストコのドライバッテリーをチョイスした。
通販で14000円とかなり高価だが、メンテナンスフリーに近く、放置しても
放電しにくいというメリットは値段に代えられないものがある。
特に乗らないバイクなら尚更だ。

プラス側のハーネスが切れかけていたので再製作し、繋いでセルを回してみる。

・・・回りそうで回らない。
これはブラシが磨耗してきたときなどに見られる症状。
走行距離30000kmなので、そろそろ交換次期がきていても不思議じゃない。
・・・が、生憎手持ちはなく、次回の宿題に。

続いてタイヤ交換。

P1011563.JPG
リヤは十分山が残っているので今回は交換しない。

フロントは昔のキーストーンマークが記されたブリヂストンだ。
今回はIRCのSPにした。リアも同じものが付いている。
ホイールを分解してみると、間に挟んでいる筈のパッキンが無い。
いずれ作って入れたほうがいいだろう。今回はそのままチューブも再利用した。

本日大晦日はこれにて作業終了。


S-601顛末2 [ラビット]

さて、充電しなくなったMy601。

何が悪いのか。

私はこの手の電気系統が嫌いである。
セルとオルタネーター、ラビットはダイナモだが、これは別系統にするべきだ。
トラブルシューティングが面倒であるし、やはり今時の永久磁石が回転するタイプの
発電機が簡単で良い。
まぁ、当時は磁石の技術もそれなりだったろうから、セルとダイナモを兼用させることで
合理的な設計と言う事になったのだろうと思う。

セルダイというのはいわば直流電動機で、電気を与えてやればモーター、
軸を回せば発電機である。

なので、ずっと回りっぱなしであるが、電機子巻線から電気を取り出すためのブラシが
存在し、それが運転中ずっとコンミテーターと呼ばれる端子にこすれている。

車のセルモーターも同じ構造だが、これはエンジンを掛けるときしか回転しないので、
大抵の場合は車を捨てるまで使える事が多い。

一方ラビットはこのブラシが擦れっ放しなので、これを原因とするトラブルを何度か経験している。
過去に経験したトラブルは、ブラシの削りカスが堆積したことによる発電機内部のショートである。
この時はフィールドコイルを焼いてしまい、修理不能となってしまった。

とりあえず分解して原因調査。

P9201486.JPGP9201487.JPG

こんな調子でシュラウドを外すのも一苦労。
スパナが振れない、スパナが入らないなんてザラ。
何度も書くが、整備性を軽視したレイアウトが嫌いだ。もうちょっと何とかできなかったものか。

P9201488.JPG

ファンを抜くとセルダイナモのブラシが見える。
全体的に薄汚れてはいるがそれほど酷い訳ではない。
ブラシを抜いて、4箇所の固定ビスを抜くとダイナモ本体が外れる。

P9201490.JPG
P9201491.JPG

内部は真っ黒け。ひとまず入念に洗浄した。
バームクーヘンみたいな部分がフィールドコイル。布とワニスで絶縁されているが、
高温になったり水に漬かったりすると漏電するようである。
そんな状態で使えなくなったフィールドコイルがいくつか旧ガレージに転がっている。
何とか修理できないものか・・・

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パーツクリーナーで洗浄して、割ときれいになった。
この後テスターで各部の導通を確認する。
・・・何処も悪くない。絶縁も良好。

配線図とにらめっこしながらハーネスのチェックを行う。
ハーネスも良好。残るはレギュレーター。

コイツはチリル式の電圧制御を行う方式だ。
電磁石で接点を切り替えることでフィールドコイルの磁力を調整して発電量をコントロールする。
なんともメカニカルな構造だが、まぁ、これはこれで十分。
動作もOKのようだ。

では何が原因か?
ブラシの磨耗も磨耗限度以下だが・・・と思いながら再度組み立ててセルを回してみようと
するものの、やっぱり駄目。

キックすれば始動は可能なので、エンジンを掛けてみたが、やっぱりチャージランプが点灯
したまま変化無し。
数回これを繰り返したところで、メインスイッチOFFなのにランプが消えない。
ONにすると消灯する。エンジンを掛けると点灯。止めると消灯。キーOFFで点灯・・・
と訳のわからない状態になった。

半分パニックになりながら慌ててバッテリーの端子を外す。
変な所に電気が流れて燃えたら大変だからだ。

再度電気系統を総チェック。
やっぱりおかしいところは無い。

組み立てながら、ふと気になったのはブラシの状態。
基準値まで後1mmほどあるが、スプリングはホルダーの中に潜り込んできている。
組み立てた状態で導通を測るとちゃんと接触しているようで導通している。

でもやっぱりセルは回らない。
さっきの変な症状は消えたが???

と、何気なくブラシを指で触りながらセルボタンを押すと火花を散らして回転を始めた。
そのまま始動。でもチャージしない。
この状態でブラシに触れるとまたもや火花が出てチャージランプが消えた。

原因判明。ブラシだ。
停止状態ではブラシとコンミテーターが接触して導通するが、セルを回すなど
大電流を流そうとすると、抵抗が大きくて流れない。
ブラシが磨耗して張力が不足しているのだろう。
回転しても、張力不足のためブラシが追従できず、充電不良を起こしていたようだ。

乾電池駆動のテスターでは問題無くてもオペレーションでは問題が発生する典型的な
パターンで、随分悩まされたがこれで解決だ。

P9271530.JPG

早速ラビットハウスの山田さんに連絡。送って貰ったのがリプロ部品のブラシだ。

P9271531.JPG

新旧比べてみると、こんなに長さが違う。

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クロメートが剥がれた本体は、金ニスで化粧直し。

P9271532.JPG

ブラシを組み付けて修理完了。


結論:
セルダイは定期的なメンテナンスが必要だ。



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