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正月は・・・ [荒野の素浪人]

このサイトを訪れる奇特な方々へ、謹んで新年のお喜びを申し上げます。

根が正直なもので、ついつい本当のことを書いたりして波高しな状況にありますが、
何卒宜しくお願い申し上げる次第。

以上新年挨拶。

さて、我輩年末年始はというと、仕事納めの日に東京出張があり、
これ幸いと3日ほど「おのぼりさん」をやったあと、一人静かに年末年始を迎えております。
少々風邪気味なので、殆ど寝正月。
年越しはドイツワインを飲みながら「Uボート・TVシリーズ」を6話一気に見るという、
普段では考えられない至福のときを過ごしたのであります。

まぁ、これを超える潜水艦映画はできないであろう。
これが製作されたのが1981年、我輩10歳のときである。
その数年後にTVで放映されたのを見たのが初めてで、子供ながらに
強烈な印象をもった作品であった。

あれから30年以上経過し、戦争の記憶も薄れ、見せ掛けだけの派手なアクションの
作品が溢れる現代で、もはや、このようにリアルに過ぎる作品は望むべくもないだろう。
平均年齢19歳。劣悪な環境の中で決死の作戦に従事した若者の姿を現代の映画関係者は
果たして描ききれるだろうか?
間違いなく、数ある戦争映画の中でUボートは20世紀最高の不朽の名作である。

それにしても、映画撮影用のセットであるということだが、あまりのリアリティに驚愕する。
特に機関部。我輩そっち方面が本職なのだが、OHVの2基のディーゼルエンジンが座る
機関室内の描写が素晴らしい。聴音棒を持ちエンジンの音に耳を澄ますヨハン。
インジケーターコックを開いて吹き出る燃焼ガスを確かめるシーン、海底で必死の
復旧作業の中で、コネクティングロッドの大端部を取り出してメタルを修正、その傍らで
仰向けに反り返ってクランクケースの中で作業を行う機関長。
エンジンは本物であるとしか思えない。
張りボテではこの臨場感は絶対に出ないし、演技指導者にも間違いなく本物の機関士が居る。
実際にエンジンの傍で運転に携わった人にしか判らないような動きが多いのだ。

航海中のシーンもそうだ。六分儀で天測を行っているが、その時の台詞があまりにも生々しい。
今の日本に居る船乗りで、六分儀を即座に扱える人がどれだけ居るだろうか?
我輩だって使うことはできるが、計算までやるとなるとちょっと無理だ。

日本にも数多くの戦争映画があるが、こういった細かなリアリティを追求しない限り
Uボートは決して越えられない。
素人がフネを扱うと「スピード2」みたいなとんでもない駄作になってしまうのだ。
(これも一度見ていて損はない、エンジニアリングをまるで無視した究極の駄作である。)
当たり前であるが、船を題材にする場合は是非ともその道のベテランの指導を受けるべきだろう。


ところで映画といえば、今一度見てみたい映画が数点ある。
ひとつは「レイズ・ザ・タイタニック」だ。
昔はよくテレビで放映していたのだが、北大西洋の海底でタイタニックが発見されてからは
全く放映されなくなってしまった。現実は浮上させられるような状態ではなかったことが
判明したからだとの話をどこかで聞いたが、そんな事どっちでもいい。
巨大な客船を深海からサルベージするロマン。背景には積荷に関わるサスペンス。
これぞ映画だ。
実際の姿と異なると駄目なら宇宙戦艦ヤマトだってアウトだよねぇ。

さらに、「THE LAST CHASE」
これも小学生の頃に一度だけ見た記憶がある近未来世界を描いた映画だ。
ガソリンの使用が禁止されたアメリカで、ポルシェのレーシングカーをこっそり修理して
カリフォルニアまで逃げようとするストーリーだ。
最後は飲んだくれの老パイロットが乗るF86セイバーに追い回されるあたりが今では少々
無理があるものの、内燃機関好きの我輩としては敢えて車に乗る気持ちも理解できる。
これはDVD化されていない。海外ではDVDがあるようだが、当然字幕も吹き替えもない。
今一度見てみたいものだ。

そして、どうしてもタイトルが思い出せないのだが、地底掘削を行った際に、モホ面が
硬くて貫通できないという理由で核を使用して無理やりこじ開けたところ、
地球が割れてしまったという映画だ。
これは母親に早く寝ろと怒られて最後まで見れなかったのだ。
我輩小学3年生か4年生位だったと思う。
最後がどうなったのか知りたいと思いながら30年以上過ぎてしまった。
何方かご存じないだろうか?

さて明日から挨拶回り。
まずは、金刀比羅宮からだな。
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コメント 6

KAZ

 謹賀新年、今年もどうぞ宜しく御願いします。
是非うちにもどうぞー。
今年も楽しくやりたいですねー。
by KAZ (2014-01-02 23:04) 

sato

こちらこそ宜しくお願い致します。
by sato (2014-01-05 08:39) 

NO NAME

今の日本に居る船乗りで、六分儀を即座に扱える人がどれだけ居るだろうか? 4級海技士以上の海技免状を取得するには現在でも天測の問題が出題され、練習船でも天測の実習が必須です。現在ではGPSがありますが電波停止や受信機故障などがあり、プロとしては位置不明ですとは絶対に言えません、天測は必要なものです。
by NO NAME (2014-07-31 16:27) 

sato

六分儀の使い方は簡単です。が、問題はそれで得たデータをどう処理するかで、その計算を正確に行うには関数電卓と知識が必要です。
海難で船橋の電気系統が全損したRORO船を機側操縦だけで航海を続けた例がありましたが、天測ができるような海象ではなかったでしょうし、航海士に天測を完全マスターさせるよりは予備のGPSを複数積んだほうが安上がりでしょう。天変地異でGPS衛星が全滅なんてことになった場合は天測ができる航海士の居る船がいち早く帰着できるでしょうが、なかなか難しい問題ですね。100億年に一回の原発事故が50年ソコソコで2回も発生してますし。
・・・でも、やはり船乗りとして六分儀を使いこなせると、それは圧倒的にカッコいいと思います。
by sato (2014-08-06 20:03) 

koji

satoさん、六分儀の使い方は簡単が問題はそれをどう処理するか、これは全く逆です。計算などは一か月毎日やれば馬鹿でも一本計算するのに5分くらいで出来る様になります、大事なのはいかに正確な高度を正確な時間で測定するかで一人前の位置を出せる様になるまで十年位の経験が必要です。
by koji (2015-04-08 20:52) 

sato

私は馬鹿以下ですね。残念。実は算数が苦手でw。帆船での航海実習中毎日のようにやっていましたが、結構時間を食うし、誤差三角形がなかなか小さくならなかった記憶があります。5分なんてとてもとても。まぁ、誤差三角形はそれが正確な角度と時間を測るということなのでしょうね。
10年経たないと一人前になれないなら平均年齢が30歳に満たないUボートの乗員はポジションを満足に出せなかったと思われます。戦争に勝てないわけです。日本もドイツも。
そして現代に毎日天測をしている船乗りがどれだけ居るかという事を考えたらこの技術は廃れたも同然ですねぇ。 重ねて残念至極。
by sato (2015-04-09 20:02) 

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