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すずちゃん [荒野の素浪人]

2月12日未明、フェレットのすずちゃんが逝ってしまった。
2月10日に6歳の誕生日を迎えたばかりだった。

昨年の春に副腎の腫瘍が大きくなりすぎて、腸を圧迫。
固形物を全く食べられなくなり、痩せ細ってもうダメだと獣医さんに言われていた。
はっきりとは言わないが、好きなものを与えてください。
もう食べることはできないと思います。と言われる。

何とかしてあげたい。
エサは殆ど食べられない。が、水は飲んでいる。
液体なら大丈夫かも。

そこで、粉ミルクを与えてみた。
すごくよく飲んだ。
最初は動物用を与えていたが、すぐにホームセンターの在庫を飲みつくしてしまった。

仕方なく人間用を購入。飲ませてみた。
人間の子供が育つくらいだ。栄養的には問題なかろう。
きっと鼬だってこれで生き延びれるはず。

毎日4回、計量スプーン1杯を30㏄のお湯で溶いて飲ませる。

驚いたことに、夏頃には大分持ち直した。
毛も生えてきた。
尻尾の先の腫瘍も大きくなるのが止まった。


それから10か月。
ここ数日、急に飲む速度が遅くなった。

ハーモニカを吹くと弾かれたように寝床から飛び出して籠によじ登っていたのが
反応がほとんどなくなる。
もぞもぞと顔だけ出してこっちを見つめている。

そっと引っ張り出して膝の上に抱き、小動物用の哺乳瓶で飲ませる。

DSC_0077.jpg

頑張れと強く願う。生きろと強く願っていた。

最後の日、吾輩は久しぶりにバイクに乗って出かけていた。
疲れ切っていたため家族にミルクを頼み、早々に就寝した。

いつもと同じ時間より少し遅く起き、いつもと同じように籠を覗き込む。
下に敷いたタオルの上に倒れていた。
抱き上げると、もう冷たくなりかけていた。

すずちゃんは、いつもと同じ時間に起きて吾輩を待っていたのだろう。

最後に会えなくて、とても残念である。
なぜ、いつもと同じ時間に起きなかったのか。
後悔だけが尾を引く。

すずちゃんは良く頑張った。
家に放置できないので旅行には必ず連れて行った。
南は九州に3回、北は青森まで行った。
昨年の正月は野沢温泉に泊まり、初めての雪に触れた。
今年の正月は京都御所の隣のホテルですごした。
いつも一緒だった。

すずちゃんは、幸せだったろうか。
暗い、うすら寒いリビングで、一人ぼっちで逝ってしまった。


庭の片隅のどんぐりの木の根元に埋葬した。
春には小石を取り除いて花を植えよう。

せめて、これからは花や木が傍にいてくれるように。
私たちが、忘れないように。

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コメント 2

まさわた

生きとし生けるもの、いつか今生の別れがやってくる。残された者は何を受け取ったのか・・ 自分は何を残し何を与える事ができるのか、宗教的に捉えることは苦手だけど、思い出は大事にしたい。合掌。
by まさわた (2013-02-15 20:46) 

sato

ありがとうね。
さすがに、本当に久しぶりに、涙が出ました。
by sato (2013-02-16 00:24) 

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