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S-601顛末2 [ラビット]

さて、充電しなくなったMy601。

何が悪いのか。

私はこの手の電気系統が嫌いである。
セルとオルタネーター、ラビットはダイナモだが、これは別系統にするべきだ。
トラブルシューティングが面倒であるし、やはり今時の永久磁石が回転するタイプの
発電機が簡単で良い。
まぁ、当時は磁石の技術もそれなりだったろうから、セルとダイナモを兼用させることで
合理的な設計と言う事になったのだろうと思う。

セルダイというのはいわば直流電動機で、電気を与えてやればモーター、
軸を回せば発電機である。

なので、ずっと回りっぱなしであるが、電機子巻線から電気を取り出すためのブラシが
存在し、それが運転中ずっとコンミテーターと呼ばれる端子にこすれている。

車のセルモーターも同じ構造だが、これはエンジンを掛けるときしか回転しないので、
大抵の場合は車を捨てるまで使える事が多い。

一方ラビットはこのブラシが擦れっ放しなので、これを原因とするトラブルを何度か経験している。
過去に経験したトラブルは、ブラシの削りカスが堆積したことによる発電機内部のショートである。
この時はフィールドコイルを焼いてしまい、修理不能となってしまった。

とりあえず分解して原因調査。

P9201486.JPGP9201487.JPG

こんな調子でシュラウドを外すのも一苦労。
スパナが振れない、スパナが入らないなんてザラ。
何度も書くが、整備性を軽視したレイアウトが嫌いだ。もうちょっと何とかできなかったものか。

P9201488.JPG

ファンを抜くとセルダイナモのブラシが見える。
全体的に薄汚れてはいるがそれほど酷い訳ではない。
ブラシを抜いて、4箇所の固定ビスを抜くとダイナモ本体が外れる。

P9201490.JPG
P9201491.JPG

内部は真っ黒け。ひとまず入念に洗浄した。
バームクーヘンみたいな部分がフィールドコイル。布とワニスで絶縁されているが、
高温になったり水に漬かったりすると漏電するようである。
そんな状態で使えなくなったフィールドコイルがいくつか旧ガレージに転がっている。
何とか修理できないものか・・・

P9201492.JPG

パーツクリーナーで洗浄して、割ときれいになった。
この後テスターで各部の導通を確認する。
・・・何処も悪くない。絶縁も良好。

配線図とにらめっこしながらハーネスのチェックを行う。
ハーネスも良好。残るはレギュレーター。

コイツはチリル式の電圧制御を行う方式だ。
電磁石で接点を切り替えることでフィールドコイルの磁力を調整して発電量をコントロールする。
なんともメカニカルな構造だが、まぁ、これはこれで十分。
動作もOKのようだ。

では何が原因か?
ブラシの磨耗も磨耗限度以下だが・・・と思いながら再度組み立ててセルを回してみようと
するものの、やっぱり駄目。

キックすれば始動は可能なので、エンジンを掛けてみたが、やっぱりチャージランプが点灯
したまま変化無し。
数回これを繰り返したところで、メインスイッチOFFなのにランプが消えない。
ONにすると消灯する。エンジンを掛けると点灯。止めると消灯。キーOFFで点灯・・・
と訳のわからない状態になった。

半分パニックになりながら慌ててバッテリーの端子を外す。
変な所に電気が流れて燃えたら大変だからだ。

再度電気系統を総チェック。
やっぱりおかしいところは無い。

組み立てながら、ふと気になったのはブラシの状態。
基準値まで後1mmほどあるが、スプリングはホルダーの中に潜り込んできている。
組み立てた状態で導通を測るとちゃんと接触しているようで導通している。

でもやっぱりセルは回らない。
さっきの変な症状は消えたが???

と、何気なくブラシを指で触りながらセルボタンを押すと火花を散らして回転を始めた。
そのまま始動。でもチャージしない。
この状態でブラシに触れるとまたもや火花が出てチャージランプが消えた。

原因判明。ブラシだ。
停止状態ではブラシとコンミテーターが接触して導通するが、セルを回すなど
大電流を流そうとすると、抵抗が大きくて流れない。
ブラシが磨耗して張力が不足しているのだろう。
回転しても、張力不足のためブラシが追従できず、充電不良を起こしていたようだ。

乾電池駆動のテスターでは問題無くてもオペレーションでは問題が発生する典型的な
パターンで、随分悩まされたがこれで解決だ。

P9271530.JPG

早速ラビットハウスの山田さんに連絡。送って貰ったのがリプロ部品のブラシだ。

P9271531.JPG

新旧比べてみると、こんなに長さが違う。

P9271529.JPG

クロメートが剥がれた本体は、金ニスで化粧直し。

P9271532.JPG

ブラシを組み付けて修理完了。


結論:
セルダイは定期的なメンテナンスが必要だ。



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