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コケました [BIKE]

先日のこと、体調不良と仕事に嫌気が差したのとのダブルパンチでKOして
早退して病院へと向かう途中、フロントが滑ってコケた。

いつもは左の直角コーナーへ4速から3速へスロットル全開のままシフトダウンして、
無理やり寝かし込んで曲げていくのだが、この日はいきなりフロントが逃げてしまい、
膝を擦りながらも車体の向きが変わらないという最悪の事態になった。

反射的に戻したスロットルを再び開けようとするも既に全開に近く、トラクションを掛ける間もなく
ステップが接地してリアが浮き、そのままスピンモードに突入。
ドリフトに持ち込むの失敗。

今度は車体が内側を向いてしまうが、いきなり車体がスライドというか回転したため
体が置いていかれ、ずり落ちかけた状態でカウンターを当てるもハンドルとタンクに
右足の向う脛を挟んでしまい、そのままロック状態に。
車体は今度は左の歩道を向いている。

もう立て直し不可能。立て直しても歩道に突っ込む。
そもそも足を挟んでいるせいでカウンターの量が足りない・・・
体はほぼ落車して肘まで接地・・・というか、跨った状態でコケている。

ゆっくりと回転する景色。ジャケットを路面でこする音だけが聞こえる。
意識したのは「もう無理。立て直せない。嗚呼、ジャケットが台無しだ・・・」

そんな状態でも意外と冷静に後ろを振り返り、後続車が居ない事を確認してから
車体を上から押さえつけるようにして車体を止めた。

とっさにクラッチを切ったおかげでエンジンは掛かったまま。
そのままハンドルだけで引き起こして路側帯に寄せる。
左前のウインカーレンズが割れただけのようだ。

クシタニのウインタージャケットはズタズタになってしまった。
思い起こせば最後に転んだのは10年前、雪山行軍をKDX200SRでやったとき以来だ。
あの日10年分くらい凍結した路面で転びまくった訳だが、貯金が無くなったということか?
・・・ま、そういうことにしておこう。

(実は転んだという現実が結構ショックだったりするのだ)

ハンドルで挟んだ右足にちょっと擦り傷ができただけで、
大したダメージが無くてよかったと思う。


その数日後・・・

現在の通勤快速号なので修理せねば・・・
と言う事で、ジャンク箱の中からそれらしいウインカーレンズを発掘。
バイク屋のゴミ箱から拾ったものだ。多分、旧型のKLXか何か用。
配線が切られているので割れたウインカーの配線を継ぎ足す。

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レンズはこの手のバイクは共通で使える。

ついでに先日購入しておいたバッテリーに交換。
中国製のGSユアサは3年も持たなかった。
今回は信頼の日立バッテリー・・・と思ったら、タイ製だった。大丈夫かしらん。

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シフトペダルも少し曲がってしまったので、ついでに修正。

バッテリーを交換したことで、ちゃんとウインカーが点滅するようになった。
が、ブレーキを掛けるとやっぱりライトが暗くなる。
なんか、KSR110は電気的にプアな感じがするなぁ。
暗いライトも何とかしたい。


750TURBO  ヘッドオーバーホール3 [BIKE]

最近は殺人的な忙しさでさっぱり進まない作業。
それでもボチボチやってます。

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いつもの作業。バルブシートカッターにてシート座面の修正。
インテーク側は程々に良いものの、排気側はカーボンの噛み込みらしい、
深い穴が点々と存在する。

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結構な量を削り込んでようやくベタアタリになった。
が、今度はインテーク側が極端な外辺りになっていることが判明。
あまり追い込みたくないし、判断が難しい。

それに最近急激に眼が悪くなってきていて良く見えない。
何時間も集中してやっているうちに頭痛がしてきた。

よくよく見ると、バルブのフェースも荒れ気味だ。
このまま組立てても問題は出ないが、やり残したようでなんとなく気が重い。
そこで、やはりフェースカットを施すことにして、徳島ボーリングさんへ送り出した。

750TURBOは暫くこのままお休み。

750TURBO ヘッドオーバーホール2 [BIKE]

さて、昨日の続き。

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カムカバーを外してチェーンとスプロケットにマーキングする。
組む時の為だが、当然マニュアルの指示にも従う。一応目安とするためだ。

カムシャフトを取り外し、テンショナーを外してヘッドの締め付けナットを取り外せば
ヘッドは降りる。

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・・・降ろしたものの、何か変。
どうもヘッドの締め付けトルクが均一じゃないというか、予想していたより緩い。
パキパキ乾いた音で緩んではいたが、それにしても・・・といった感触。
もしかすると締め付けトルクの管理ミスがあるかも。

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油が漏れていた場所はここ。周辺に滲んでいるが、外した時に流れたのかは不明。
・・・ん~?何かこれも様子が変。

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外してびっくり。通常ここにはオリフィスというか、オイルラインピンが入っている筈だが、
変なオリフィスが付いているだけだ。
400ccのエンジンも共通の構造だが、ここはオイルラインピンの周囲を巻く様に
楕円のOリングでシールされているのが普通。
この変なオリフィスは初めて見た。

その後パーツリストで確認すると、ピンとOリングの絵が描かれた上に、四角括弧されて
このオリフィスが書いている。注釈も何も無いのでどうなっているかさっぱり不明。
品名はオイルラインガスケットだそうだ。

不気味だ。何故これを?
ひとまず部品も無いのでオイルラインピンを新たに手配することとした。

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さて、外したヘッドの燃焼室面。
左から1番だが、4番の排気バルブは白く焼けているのに他は真っ黒け。
燃焼室の表面にはびっしりと分厚く硬いカーボンが付着している。
白く焼けているのは排気温度が高い証拠。黒いのはその逆だ。
硬いカーボンも白い燃焼生成物もオイルの燃えた残渣だろう。

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バルブを抜く。コッターの固着も無く、割と簡単に外れた。
バルブにはポンチで気筒番号の数だけマークする。

それにしても、一度分解された形跡があるのに酷い有様だ。
私の元に来て6年、走行距離3000km程だが、エンジンを開けてからそう走っているとも
思えず、なんだか腑に落ちない。

バルブの当りは吸気側は概ね良好。シートの沈み込みも無い。
排気はそれなり。若干カーボンの噛み込みが見られる程度で良好である。
このことからも、一度は手を加えられたと見るべきだが?
ちなみに新車のエンジンはバルブの擦り合わせなんかやっていないそうだ。
(少なくとも現在はそう)
やらなくても十分気密が得られるらしい。

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吸気ポート。
酷い段付だ。ちょっとは手を入れればいいのに。
内部もスラッジで汚い。ガソリンで洗われているからそんなに汚れなさそうなものだが、
やはりオイルを吸い込んでいるのだろう。

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こちらは排気ポート。
びっしりカーボンが付いてはいるが、燃焼室面と違って乾いている。
温度が十分に上がっているのだろう。

バルブガイドの手前に変な穴がある。
この穴はカムカバーまで貫通していて、カバーで蓋をする形になっている。
推測だが、仕向け地によって何らかのエミッションコントロールが付くのではないかと。
車で言えば、昭和51年排ガス規制の頃には排気ガスに含まれるHCを触媒で燃焼させる
為に、排気ポートにエアを吹き込んでいた。
そういったデバイスに対応させるためではないかと考えている。
まぁ、触媒が付いているモデルは無いので、エアを送り込んで排ガスを薄めるような
いんちきデバイスなのかもしれない。
目障りな穴だが埋めるわけにもいかず・・・

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燃焼室内のカーボンを除去すると、これまた予想を上回る粗い地肌が出てきた。
ZX400AEなんかは綺麗に表面が加工されていたが、これは鋳肌むき出しだ。
小さな穴にカーボンが入り込んでなかなか綺麗にならない。
そこで、#320のペーパーに油を付けて磨き倒した。
ソコソコ平滑になったので、今度はポートの加工。

酷い段付き部をリューターで削って平滑にする。
排気ポートも途中で急激に角度が付いている部分があるので、そこを滑らかにカーブするよう
出っ張っている部分を削り落とした。

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こんな状態。
うろこ状になっているが、これ以上は手を入れるつもりは無い。
昔はピカピカに磨いたこともあるが、労力を掛けてもさっぱり変化は無かったからだ。
むしろ、現在は荒れているほうが良いとの話も聞くし、この程度でやめておく。

磨くのは無駄だと思うが流れを考えると段差は無くしておくべきだ。
こういった積み重ねをやった結果、素組みとは違う特性が得られるものである。
まぁ、今回は出力増大が目的では無いのでこれで十分。

この後、バルブを磨いて本日の作業は終了した。

続く



750TURBO ヘッドオーバーホール [BIKE]

さて元旦もあと6時間しかない。
いや、6時間もあるという事で、とりあえず夕暮れのスーパーの初売りの残り物を
ゲットしに出かけた。半額サービスの食品を買い込み、ガレージにとんぼ返り。

あと5時間しかない・・・リミットは21時と決めて、作業開始。

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外装を外す。タンクとサイドカバー、センターカウルだ。
バッテリーのマイナス端子を外し、イグニッションコイルをブラケットごと取り外して
前方へ移動。ヘッドの上の空間を確保した。

プラグを外し、右側のパルシングカバーを外して1-4トップにクランク位置を合わせて準備完了。

続いてサージタンクを外そうとするもなかなか外れてくれない。
引っ張ったり抉ったりするが、どうにも抜けない。
スロットルバルブごと引き抜こうともしてみるが、やっぱり抜けてくれない。
ゴムが硬化しているのか?

よく観察すると、ターボからのパイプも食付いているし、サージタンク背面のセンサー
類も邪魔だ。片っ端から外す。が、パイプもやっぱり抜けない。

再びスロットルボディを固定して思いっきり引っ張ったら片側が浮いてきた。
そこでプライバーでじわじわと押しながら引き抜いていくとようやく分離に成功。

続いてスロットルボディも引き抜いた。
配線が多く繋がっているため、スロットルはその場に仮置き。

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今度は排気系。
マフラーを取り外し、タービンを外そうとするが、タービンのアウトレットのボルトが
焼きついていて外れそうにない。無理に回そうとすると折れそうだ。
そこで作戦変更。エキゾーストマニホールドとターボチャージャー、サイレンサーまでの
中間パイプを一体で外そうという作戦だ。

まず、アンダーカウルを取り外し、アルミの通称「牙」を外す。
インテークのダクトとインテークパイプを知恵の輪のようにして外し、もうこれで動くはず・・・

ところがマニホールドのフランジを外すもびくともしない。
よく見るとタービンの後ろに2本のボルトが見える。クランクケースにターボが固定されているのだ。
これを取り外すが、やっぱり動かない。
下から覗き込んで観察してゆくと・・・

左右に振り分けた後方に2本のボルトで排気管もオイルパンに固定されているではないか。
これを外してようやくフランジがヘッドから抜けた。が、それ以上動かない。

・・・嗚呼、オイルのインレットとアウトレットも外さないとダメなのね。

はい、ここまでやって時間切れ。21時になりました。

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元旦の朝からナッパ服を着て、手を真っ黒けにして一体何をやっているのか・・・

こんな経験、東京-那智勝浦-高知のフェリーに乗っていた時以来だ。
あの時は年末にヘッドからガス漏れしているのを機関長が発見。
大晦日の夕方から徹夜でシリンダカバー解放、ガスカットを生じていたので
ナンバンと二人で交代しながら一晩中すり合わせをして、元旦の朝から復旧。
昼前に新年の祝賀会をするから出て来いとの船長の命令で、クタクタに疲れ切った我々
機関部が顔を出したら、「そんな汚い恰好で来るな」と言われて死ぬほどムカついた。

正月に真っ黒けになったのはあの時以来だ。


750TURBO リアブレーキ修理 [BIKE]

元旦の朝からシャマルのオイルレベルを確認し、ラビットのキャブを修理して
暮れ行く私の正月。今度は750ターボに手を着ける。

先日分解して放置状態だったリアマスターだ。

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リザーバータンクから繋がるチューブのブーツを外してみると、内部は粉だらけ。
漏れています、ハイ。
ですが、心配御無用、ちゃんと内部のゴム部品をゲットしているのだ。

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こっちはシリンダー内部。何か錆みたいなものが見える。
アルミなのでどうかとは思ったが、ペーパーで研磨してみることにした。

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リューターの先に先割れの丸棒を取り付け、それにペーパーを挟んで研磨する。
まぁ、平滑にはなったようだ。

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さて、粉だらけだったリザーバータンクのパイプを抜く・・・
・・・・が、これが抜けない。
サークリップの合口がL形のパイプの真下になっていて、サークリッププライヤーで
挟めないのだ。何処の間抜けだ、こんな位置で固定したのは!!!
新品の時はパイプが自由に回転したのだろうが、劣化してフルードが漏れて
固着したパイプは頑として回ろうとしない。折れそうだ。
何とかクリップを回転できないかと抉り回していたら、プライヤーの先端が折れた・・・orz
もう頭に来た。
無理やり細いマイナスドライバーを差し込んでクリップを浮かし、ラジオペンチで引き抜いた。
クリップは当然歪んで再利用不可能。だけど、ちゃんとストックがあるので大丈夫。

今度はパイプ。これも抜けない。抉っているうちに浮いては来たが、あと少しで抜けそうに
なるところまでくるのだが、すぐに引っ込んでしまう。プライヤでつまんで無理やり引き抜くことにした。
苦心惨憺して何とか引っこ抜いたが、L形の樹脂パイプも準備しておくべきだ。
何とか壊さず抜けたが、これが割れるとどうにもなりません。

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内部にはポートが見える。
周辺を念入りに掃除してシリンダーの整備は完了。
L形のパイプにグロメットを取り付けて差し込もうとするが、入らない。
考え方を変えて、先にグロメットをシリンダーに付けておいてからパイプを
後から差し込んだらあっさりと組立完了。
いい勉強になった。

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お次はピストン。
カワサキのピストンキットはピストン本体とシールが別々になっていて、
自分でシールをピストンに組み込まないといけない。
自動車用はASSYで来るのにバイクは昔からこうだ。何故なんでしょう?

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そのまま入れようとしてもなかなか入らない。
そこで用意したのがコーキングガンの先端に使用するノズル。
これを切断してインサートの道具にしようという魂胆だ。

・・・しかしあっけなく玉砕。
ノズルの厚みがありすぎて、シールが通過できないのだ。
困ったと思ったが、この後あっさり問題解決。

一度このノズルを使ってシールを引っ張ると僅かに伸びて手で難なくピストンに
取り付けることができた。
目出度し目出度し。

PC311558.JPG

問題はこの新品ピストンが使えるかどうかだ。
今回用意したものはZR-7S用。
こんなに形が違う。
スプリングの長さも違う。
ところがシールの位置そのものは殆ど変わらないので使えると判断した。

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組立て完了。
ピストン組立てにはブレーキシリンダー用グリスを塗布して組み込んだ。
ブレーキフルードを塗れと書いているマニュアルもあるが、私は湿気を呼び込む
ブレーキフルードをピストンシールのリップの外側に漏らしたくない。
よって、組み込み時はブレーキ用の二硫化モリブデングリスを塗ることにしている。

このまま勢いでリアのキャリパーも分解した。
こっちは比較的最近分解されていたようで、状態が良い。
多分私はやっていない・・・と思うので、前のオーナーがやったか?
いや、やったことがあるような気もするぞ・・・
頻繁にやっているので自信が無くなってきたw

サクサクと分解して洗浄し、組立てる。
このピンスライド型片押しキャリパーの整備ポイントは、スライドピンの摺動面に
キッチリグリスを詰めてやることだ。
これだけでキャリパーの追従性が雲泥の差になるのだ。

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マスターシリンダーのリザーバータンクのダイヤフラムも新品に交換。
ホースも新品にして保護スプリングは黒のラッカーで補修ペイントした。

リンク部分にグリスを塗ってステップホルダーを組み付けた。

エア抜きをしてブレーキの整備は完了。

次回はエンジン編。乞うご期待。。。?

ZR-7のチョークケーブル [BIKE]

今年の春先、チョークが壊れたので見て欲しいと。
レバーは抵抗無くスカスカ。状況を聞くと、「バキッという音がしてスカスカになった」
と言うので、てっきりレバーの根元が割れたのだと思っていた。
「どっかにジャンクがあるだろうから、そのうち修理してやる。
今はチョーク無くても掛かるだろ?」
と言って、早半年以上経過。
レバーは見つからず、お世話になっているバイク屋さんで中古品を譲ってもらった。

早速交換しようとスイッチボックスを分解すると・・・
あれ?ちゃんとワイヤーが付いている。

引っ張るとズルズル抜けてきた。

チョークワイヤーが切れたなんて聞いた事が無い。
勿論初めて見る。

で、ターボのガスケットなんかと一緒に注文した。

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QPのオイル交換の合間に分解開始。
燃料を満タンにされていたのでタンクを降ろすのに難儀した。
ホース類もそろそろ寿命かも。

古いワイヤを引き抜き、同じ経路で取り回す。
中間にアジャスターが付いているが、今回は弄る必要は無かった。

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どうやら水が入って腐食して切れた模様。
解せないのは切れた部位がレバー側から1/3くらいの位置。
そこから先は錆びてもいない。少量入った水が部分的に腐食させたのか?
とりあえず修理完了だが、エアクリーナーも真っ黒け。
近いうちに大幅に手を入れないと駄目になりそう。

ここで、フロントをジャッキアップしてフォークのトップボルトを緩める。
最近、フロントが下がってハンドリングが悪化していたのだ。
フォークにはスプリングとオイルが入っているが、インナーチューブ上部には
空気も入っている。
最近ではあまり見かけないが、昔のバイクにはエアバルブが付いていたものだ。
このフォーク内の空気の容積というか、空気の絶対量が結構重要で、油面の調整は
空気量の調整の為にあると言っても良い。

空気の量が少なくなると軽くフォークがストロークするようになり、落ち着きが失われる。
スタンドを立てたときに妙に立ちが強いようならここをまず疑ってみるべきだ。
よくスプリングがへたると言うが、WPなどに交換してシャキッとしたような気がしても
それは分解した結果フォーク上部の空間に適正量のエアが満たされただけの
ことであることも多い。

トップキャップを締め付けた後にジャッキを外すと作業前と比べて車高が上がった。

何でこんなことになるかを考えてみよう。
最初は適切な車高を保っていた筈である。
何処からか空気が漏れているのか?
あるいは油面が下がる要因があるのか?

恐らく両方であろう。
フォークは構造上完全にエアを抜くことが難しい。
どうしてもインナーチューブとアウターチューブの隙間には空間が生じ、そこの空気は
逆様にしない限りどうやっても抜けてくれない。
ダンパーも同心円状の構造なので、一部にエアが溜まってインナーチューブの
内側にまで出てこない気泡もあるだろう。

それらのデッドスペースに入った空気は、使用しているうちにシールのリップや
細かな気泡となって徐々にインナーチューブの内側、あるいはオイルシールから
外部へと出てゆく。
トップキャップもシールはOリングのみなので、微細ながらも圧力が掛かった状態では
抜けていくだろう。タイヤの空気がいつの間にか抜けているのと同じだ。

そうやって、徐々に油面が下がり、やがてハンドリングに影響が出るまで変化してゆく
のではないかと考えている。

本来であれば、そうなるタイミングでオイル交換をするべきかもしれないが、
前回の車検時にフォークを分解して以来だから、1年半。そろそろかも。


750TURBO リアブレーキ [BIKE]

先日ヘッドからのオイル漏れが発覚した私のターボ、
やっぱりリアブレーキのマスターシリンダーも漏れていました。

試運転から戻ったときは、目立って漏れていなかったのですが、時間が経つと
ロッドに滴が付き、下には小さな水溜りが。

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ステッププレートを分解してマスターシリンダーを取り外す。

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ブーツを外すと内部は茶色の物体でコテコテ。
錆とブレーキフルードの結晶が醸された状況。

何とかクリップを穿り出して・・・・

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分解完了。中身はこれだけ。非常にシンプル。

問題はだ・・・
このピストンの部品供給が無いんだよな。

そこで、嫁のZR-7を繁々と観察。
なんとなく形が似ている。
長さも太さも同じ位。

いっそこれをそのまま移植しようかとも思ってみたが、良く見ると取り付け方向が逆。
ブラケットの位置が右用と左用があり、ターボは左、ZR-7は右。
残念。裏表が逆になるので使えません。

という訳で、内部部品だけバイク屋さんに発注しました。
タンクからのポート位置が似たような位置にあるので使えるかも。

ついでにヘッドガスケット諸々も注文。
有難い事に、3日で全部揃うとの事。
カワサキの部品供給体制は素晴らしい。
この体制をずっと維持して欲しいものだ。

問題は、その部品を取りに行く暇が無いということ。
更に、それを組み込む時間も無いなぁ。
暫くターボはお預けになる模様。

KSR110オイル交換 [BIKE]

現在通勤スペシャルとなっているKSR110

何しろ遅いもので、会社までの片道20kmを殆ど全開に次ぐ全開で走らないと
流れに乗っていけない。まるで耐久テストやってるみたいだ。

9月頃にオイル交換をやったと思うが、サイトグラスを見ると真っ黒。
オイル容量も1リットル程だし、早目に交換するかと思って抜いてみた。

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なんか真っ黒。
しかもメタリック。
おまけに300cc位か?

焼きついても不思議は無い状況。
やはりこのエンジンで無理は続きそうに無い。
かなり大量に出ている金属粉も不気味だ。

気を取り直して・・・・

クラッチのフルードを点検した。
こっちもサイトグラスが真っ黒けで入っているのかどうかすら判らない。

蓋を開けてみると、エンジンオイルほどではないが、やはり濃いグレーの液体が。

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なんか固形物もある・・・・
これってオーバーホールキットはあるのだろうか?
どうやらタケガワのキットのようだが・・・?

カップ内は念入りに洗浄して、スレーブシリンダー側から抜き出して全量を交換した。

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蓋のダイヤフラムを外してみると、お約束のブレーキフルードの結晶がわんさかくっついている。
これも洗浄して、蓋の裏も真鍮ブラシで掃除してから組立てた。

感じは・・・何も変化なし。
この後バイク屋に出向いて諸々部品発注した際に聞いたところによると、油圧クラッチは
あんまり良く無いそうで、最近ではワイヤー式が主流との事。
調整が効かないし、重いし、メンテが大変だし、あまりメリットが無いとの事。

まぁ、そうだわな。

それより、ある症状が出て困っているのだが、それを話した結果、もっと深刻な
問題を抱えている可能性があることが判明した。
ああ、またエンジンを開けなきゃならんのか・・・
AR125、750TURBOに続き、KSRも。
これで私のバイクはほぼ全滅である。
ラビットもYA-Ⅱも実用にはならんしなぁ・・・



ちなみに本日はオイル交換祭り。
KSRに続き、ZR-7、L200Sミラのオイルも交換。
あと、交換サイクルが迫っているのは・・・・
シャマルとクアトロポルテとハイゼットとリーザとユンボとトラクター。
早い話が全部だ。

何でこんな事になるかっつーと、
最初は走行距離で管理してたんですね。
ところが、最近は忙しくて乗る暇が無く、全然走行距離が伸びなくなりました。
自転車ばっかり乗ってるというのもありますが。

で、管理を簡単にするために乗ろうが乗るまいが半年毎に交換するというサイクルに
変更。その結果、12月と6月に集中するという事態に。

さて、オイルの在庫も少なくなってきたのでそろそろ発注せねば。

750TURBO フロントフォーク組み立て2 [BIKE]

世間は3連休だが、現在の私は土曜出勤が続いていて、日曜のみ休み。
・・・なのだが、月曜も休むと宣言して堂々と休んでみた。

日曜は所要があって何も手付かず。
よって本日、ようやくフォークの組み立てができた。

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何処とは無く佇まいがシャキッとしたように感じる。

組み立て途中は手が真っ黒けなので写真なし。
別にどうということも無いし・・・・

フォークをブラケットに挿入してクランプボルトを締め付け、フェンダーを取り付けてから
ホイールを組立て、ブレーキを組み付けてエア抜きすれば作業完了。
ちまちまとねじ山の掃除をしたりしながら作業すること2時間、ターボ復活である。

早速試運転。
ブレーキを掛けてフォークに荷重を掛けるとえらく突っ張る。
AVDSのダイヤルを確認すると「3」になっていた。
最弱の「1」に切り替えようとするが、ダイヤルが回らない。
しまった、何か組み間違えたか?・・・と思ったが、程なくして回転するようになった。
何度もブレーキを握りこんだために、残圧が残ってプランジャを押し下げていた模様。

1にしたまま、敢えてフォークのエアを抜いた状態で走ってみる。
オイル交換をした効果はてきめんで、しっかりとダンピングが効いて落ち着きのある
動きとなった。少し硬過ぎるくらいだ。

バンクさせていくと、やはり切れ込みが強い。
フォークのエア圧が低いため、フロントが沈んで切れ込む模様。
これは以前から出ていた正常な反応なのだが、以前と比較して随分少なくなった。
特にブレーキをガツンと掛けてからバンクさせると、AVDSによってフォークの沈み込みが
制限されるため、以前より前傾が少なくなったのだろう。

そのまま裏山のテストコース(と勝手に呼んでいる)ワインディングに持ち込む。
夕暮れの紅葉の中を一気に頂上まで登り詰めて、そのまま海側に降りる。

エンジンの調子は申し分ない。
高周波のタービン音と共に過給圧が高まり、強烈に引き込まれるかの
ような感覚で車体が前方の景色に飛び込んでいく。
スロットルを戻すが、車体は加速度を残したままコーナーへと飛び込もうとするため
ブレーキを握り込んでゆくものの、2本指では握力が足りずにいつの間にか4本指で
がっちり握りこんでいた。

フォークが良くなるとこんなにも違うのかと、OHする度に思う。
このブレーキは改善の余地有りだ。

海辺で小休止して各部の緩みとフルードの漏れをチェックする。
フロント回りは問題無いようだ。

そのままバイパスへ抜けてフル加速を数回繰り返したところで何やら油臭いことに
気が付いた。

ガレージに戻り、チェックしてみると・・・・

PB241583.JPGPB241584.JPG

マフラーのエンドまで左側が油でベタベタ。

以前から少しばかり漏れていたのだが、一気に噴出してしまった模様。
漏れている箇所は、シリンダーヘッドとシリンダー間と、インテークカムシャフトの
半月形のプラグ。

あーあ、今度はヘッドかよ・・・orz

750TURBO フロントフォーク組み立て1 [BIKE]

部品は全部揃ったが、肝心の組み立てる時間が無いというどうしようもない理由で
放置していたターボのフロントフォーク。

今週末も子供の七五三やら何やらでバタバタと過ぎ去ろうとしていたが、
何とか時間を見つけて組み立てた。

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各部品を念入りに洗浄後、エアブローをしつこく繰り返して清浄な状態に保つ。
部品を並べて組み立て開始。
インナーチューブは東洋硬化さんに再めっきをしてもらった。
心配だった曲がりは無し。
内面を綺麗に洗浄したら、ダンパーユニットを組み立てる。
パーツリストを見ながら組み立てるのだが、ダンパーの下部に入っている薄いワッシャーと
スプリングがリストでは3枚だがフォークからは左右とも2枚しか出てこなかった。
恐らく波型に加工された薄鋼板がスプリングで他の2枚はそのリテーナーなのだろうと
推測。上側にワッシャーを入れ、下側にスプリングを入れて、その下側のシートは
オイルロックピースの上面となるようにした。これで間違いないはず。
・・・と言うのは分解したときアウターチューブ内でバラバラになってしまってどういう順番で
入っていたのか判らないのだ。

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上下のスライドメタルを交換する。
下部はインナーチューブの下端に嵌め込むだけ。
上部は写真のようにアウターチューブに圧入する。圧入といっても軽く叩けばスコンと入る。
オイルシール用のスライディングハンマーを使用した。

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フォークの組み立ては慣れた作業なのでどうと言う事も無く完了。
問題はAVDSだ。
上の写真のようにスプリングの自由長がまるで違う。
何か意図があるのだろうが、良く判らない。
プランジャのストロークは2mm程度。
たった2mmの範囲で減衰力のコントロールを行っている精密部品だ。

下部のダイヤルは、内部のバルブのストロークを規制するのではなく、単純にリターン
スプリングのプリロードを調整しており、ダイヤル1の状態ではプリロードを最も強くすることで
ブレーキフルードの圧力に対してバルブの作動量を少なくし、フォークオイルの流れを
妨げないようにしている。
ダイヤル3の状態ではプリロードが最も少なく、少ない力でバルブが動くため、軽くブレーキを
掛けただけでオイル通路のバルブが閉まり、高い減衰力を生み出す。

AVDSはアンチノーズダイブなどと解説されてるだけなので、なんだか良く判らないが、
要は可変減衰機構であり、ブレーキを掛けたときにだけ一時的に圧縮側の減衰力を高める
装置なのだ。

これでどう変化するか楽しみである。

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さて、組み立てよう。
このオーバーホールキットの取扱説明書にはあるURLが記載されており、そこからPDFで
細かい解説をダウンロードできる。
それを参考にしながら順番に部品を組みつけていく。
Oリングが若干細いような気もするが・・・・

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サークリップを留めて組立て完了。
フォークに取り付けるボルトも付属されていたが、ステンレス製だったのでこれは純正品を
再利用した。アルミの部品にステンレスのボルトの組み合わせは水分があると激しく
電蝕を起こす恐れがあるので基本的に使用しないことにしている。
電蝕以前にSUSは焼き付きやすく、ステンレスのネジ製品は避けるようにしている。
焼き付いたのを四苦八苦して外したことのある人にしか苦労は判るまい。

さて、組み立ての終わったAVDSユニットをアウターチューブに組み付けたらオイル注入。
まず最初にインナーチューブに開いた、エア穴をガムテープで塞いでおく。
こうしないとこの穴から油が漏れるのだ。

サービスマニュアルによるとオイル量は270cc程度。
ビーカーで測って入れ、しつこくストロークさせてエアを抜く。・・・が、なかなか抜けない。
傾けてストロークさせたりしてエア抜きすること約30分、ようやく泡が出なくなった。
ここで全縮状態でトップからの油面高さを測定する。
170mm程度になる筈が、20mm程低い。
ビーカーの目盛がいい加減なのかどうか判らないが、とりあえず規定油面まで継ぎ足して、
スプリングを挿入してトップキャップを締め付けた。

PB161587.JPG

ここまでやって日没。本日の作業終了となった。
アウターチューブの塗装ははっきり言って失敗。
極端に艶の引けた部分が残っていた。
塗料が古いのも一因だろう。毎回調色してもらうべきなのだろうが、少量しか使用しないので
なかなかそうも行かない。
とりあえず、暫くはこれで乗ろう。次回OHするタイミングでプロに塗って貰うのが良さそうだ。
アウターチューブは塗り難い形状なので、あまりやりたくないというのが正直な気持ち。



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